第19話 集合

日曜日

この日はフットサル交流会の開催日だ。

伏野たちは一回別の場所に集まってからそのフットサル場へ行くことにしたのだ。


そして、集合時間の10分前。

伏野は集合場所の時計台の近くに到着した。

一昨日、伏野はスポーツショップで何も買わなかったのは、中学時代の指定ジャージ以外のものがあったためだ。

そのため、伏野は紺色を基調としたジャージを着ている。


(少し前に着いちまったか)


などと考えていると、いつの間にか五分経過しており、伏野の目の前に荒井らしき人が来ていた。


「お、おはよ。伏野くん」


「ああ。おはよう。ちなみに聞くが、それどうして持ってきたんだ?


と、伏野は荒井の額にある物を指さした。


「え、あ、これ?こ、これはサングラスだよ。お母さんが日差しが強いから持っていけって」


「まぁ、確かに日は出てるしな………(この前、一緒に買った黒と金とジャージだから、ヤンキー感がすごいな。あと、フットサル場は室内なんだけどな)」


荒井はあまりにも普通のことのように言うので、伏野は思ったことを口に出せなかった。

そして、ちょっとした話をしていると、集合時間ギリギリで戌走が走ってやってきた。


「はぁはぁはぁ………。ごめん!集合時間ギリギリになっちゃって」


「まぁ、時間には間に合っているからいいだろ。でも、お前にしては珍しいな。中学のマネージャーの時に15分前には着いているくらいだったのに」


「ちょっと言い訳をすると、久しぶりにマネージャーらしきことをしてきちゃったからね」


と、ドヤ顔で戌走が言うので、ふと伏野は彼女の持ち物をちらりと確認し、見覚えのある保冷バックのようなものが目に入った。


「あれ作ってきたのかよ」


「うん!今日は伏野の頑張っている姿が観れるからね!マネージャーの血が騒いだんだー」


「マネージャーの血ってなんだよ。まぁ、そんなことは置いておくか。揃ったことだし行こうぜ」


という伏野の一言で彼らはフットサル場へと足を進めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る