第18話 派手
「わ、私、あまりスポーツ着って買ったこと無いから、どんなのが普通なのかわからない、というか……」
戌走に女性用のスポーツ着コーナーに連れてこられた荒井が言った。
「確かに難しいよね。ちなみに私は好きな色で選ぶようにしてるよ」
「す、好きな色?」
「うん。私はピンクとかオレンジっぽい色が好きだからそういう系統の色を選ぶようにしてるよ」
「そ、そんな感じでいいんだね」
「うん。ちなみに天音ちゃんはどんな色が好きなの?」
戌走の問いかけに荒井は右手を顎に当て、少し思考した後、戌走の目を見て言った。
「き、金とか、黒、とかかな」
「……金、か〜。金色がメインっていうのは無いけど、黒色がメインの金色が少しあるジャージとかならあるよ」
戌走は思わぬ荒井の回答に戸惑いながら、近くにあった黒と金のジャージを取り出した。
「それが良い!!」
荒井は目を輝かせながら言った。
そんな荒井の様子にあまり否定的な意見が言えなかった。
図らず二人の立場が逆となった。
そして、二人は伏野が待っている試着室へと向かった。
「やっと来たか?」
「お、お待たせ、伏野くん。今から着替えてくるね」
と、だけ言うと荒井は試着室の中に入っていった。
そして、即行で着替えてきた荒井はすぐに出てきた。
「ど、どう?」
荒井は選んだ黒色と金色を基調としたジャージを試着し、出てきた。
金色の部分が照明の光に反射している。
それを見た伏野は思った。
(は、派手だな…………)
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