第16話 挨拶

「ふ、伏野くん、戌走さん」


「天音ちゃん!」


班決めのホームルームが終わり、放課後となったため、一年D組の荒井が伏野達の元にやって来た。

その荒井の姿を見た瞬間、戌走はまるで飼い主の帰りを迎えるかのように荒井に飛び込んで行ったのだ。


「何々、どうしたのー?」


そんなところを呆然と見ていた伏野の元に金髪眼鏡のクラスメイト、次石が伏野達の元にやってきた。


「隣のクラスの荒井だ。今度のフットサル交流会でも来る予定なんだ」


「そうなんだ。フットサル交流会の主催者的存在の次石!よろしくね、荒井さん」


そう言った次石は荒井に手を差し伸ばした。

少しだけ、否。かなり人見知りな荒井はやや反応に困りながらもその手にポンと手を置いた。


「よ、よろしく」


「うん。よろしく」


そう軽く挨拶し合い、次石は他の生徒に呼ばれたため、どこかに行ってしまった。

そんな彼の背中を三人は見送り、伏野は言った。


「それじゃあ、フットサルのための買い出し行くか」


「うん!」


戌走はそう答え、荒井は黙ってうなづいた。

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