第15話 根無
「伏野!伏野!!班一緒になろー!!」
「ああ。いいぜ」
さっきまで教壇の上で話していた伏野の元に戌走は駆け寄って言い、伏野はそれに答えた。
そして、もう一人伏野の元に寄ってきた。
「伏野くん、俺も一緒の班になっていいかなー?」
「次石か。別にいいぜ」
金髪眼鏡のクラスメイト、次石は伏野に言い、伏野は承諾した。
「あと一人。どうする?」
「それなんだけどさ。俺がもう一人誘ってきていいかなー?」
「別に構わないけど、誰かいるのか?」
「ああ。いるよー」
次石はそう言うと、どこかへふらふらと歩いて行き、しばらくすると一人の女子生徒を連れてきた。
「お前は確か……」
人の顔と名前を覚えるのが苦手な伏野はその女子生徒の顔を見ながら、必死に思い出そうとし、ようやく出てきた名前が。
「根無だったっけ?」
「…………」
伏野は彼女の名前をあげたが、その根無はあまり良い反応を示さなかった。
名前間違えたか?、と伏野は思っていると、代わりに次石がそれに答えた。
「そうそう。彼女は根無和香さん」
「よろしくね!のどかちゃん!」
根無の側に戌走が駆け寄り、抱きついて言った。
そんな戌走の行動に驚いた表情を浮かべ、根無は耳から何かを外し、言った。
「えっ!?ごめん、何?」
(イヤホンじゃなくて耳栓つけてたのかよ……)
と、伏野は密かに思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます