第14話 大差

「あ、えーっと」


伏野は教壇の上に立ち、辺りを見渡した。

特に緊張とかはサッカー部だった頃に慣れているのだが、そんな伏野でも突然このように前に出されたら少しは緊張をしてしまう。

が、すぐに慣れた。


伏野はさっき担任から手渡された資料にざっと目を通しながらその内容を話し始めた。


「四人一組で一つの班を作ってもらいます。このクラスの生徒数は三十六人だから丁度、九グループできます。余りとかはできないので、みんなで話し合って決めましょう」


伏野は紙に書いてあった内容をそこまで読むと、紙にそこから先に何も書いてないことに気がついた。

つまり言うことはそれだけなのだ。

その伏野の言葉にクラスメイト達は立ち上がり、それぞれで話し始めた。


そして、まだ教壇に立ちっぱなしの伏野はちらりと坂本の方を向きながら。


(たったこれだけを言うのならお前が言ったって絶対大差ないだろ)


と、伏野は心の中で思っていた。

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