第4話 室内
「それじゃあ、伏野は何の部活入るの?」
「それを考えるためにこうやって色んな部活の見学をしに行ってんだろ」
伏野と戌走はサッカー部が使用していたグラウンドのところから体育館に来ていた。
今日は体育館をバスケ部とバレー部が本格的に使用しており、体育館の舞台の上で卓球部が練習をしていた。
「でも、室内部活もすごい活気だね!」
「そうだな」
伏野は無機質な声で返事をした。
それに動物的感覚で感じとった戌走は伏野の腕をぐいっと下に引っ張った。
「うぉ!何すんだよ」
伏野は戌走の方をちらりと見ると、頬を膨らませた戌走がこちらを睨んでいた。
「なんか今日の伏野冷たくない?」
「そうか?」
「冷たいよ!訳を言ってくれなくちゃ、ずっとこのまま腕を下に引っ張り続けるから!」
「わーった。わーったよ。俺も確実にこれ!っていう訳を今言えないけどいいか?」
そう言った伏野に了承した戌走は手を離した。
「俺は中学の時、サッカー部に入ってはいたけど俺らはまともに練習してなかったろ。だから、こんなガチな部活に入るなんて無理だなってそんな感じのことを思ってただけだ」
「それじゃあ、部活入らないの?」
「ああ、部活は入るつもりは今のところは全くないな。戌走はまたサッカー部のマネージャーやらないのか?」
「うーん。私もいいやー」
戌走はそう言い、二人は体育館を後にした。
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