第3話 迫力

「わー、すごいね。みんな体も大きいから迫力がある!」


戌走は自身の茶色い髪を揺らしながら、伏野の隣でわいわいと騒いでいた。

それを横目に見ていた伏野はふふっと笑いながら言った。


「でも、体が大きくても技術がなくちゃ意味ないけどな」


「伏野、ダメだよ。そういうこと言ったら」


「悪い悪い」


「絶対悪いって思ってないでしょ!」


戌走はそう言いながら、ぽんぽんと伏野の肩を叩いた。


「わーったよ。けど、俺はサッカー部には入らねーよ」


「え?どうして?」


「俺、ベンチだったからな。中学の時、マネージャーやってたお前なら知ってんだろ」


伏野は自嘲し、戌走は小さくごめんと謝った。

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