ダンジョンマスターのじじい
★★★★★★★★
da5BF
俺は5階のダンジョンの天井に空いた穴から顔を出して下を覗いた。
そして誰もいないのを確認して、俺はさっと下へおりた。そしてすぐに周りの気配を察知する。
「、、、よし、とりあえずは誰もいないな!」
そして、声に出さぬように俺は両手でガッツポーズをした。
(よーっしゃー!!いけたー!!)
自分の考え通り魔法のクワを使ってのダンジョンショートカットに成功した事に俺は心の中でテンションMAXになっていた。
体感だが普通に一つの階を攻略するのに比べて最低でも3分の1から4分の1に短縮出来ていた。
これならギリ一睡もせずに10階まで到達できる!
という事で俺は再びクワによるショートカットができるエリアを探す。
まず第一の条件、それはダイバーやモンスターが余り通らない所。
そして第二の条件、穴を掘るちょうど真下に下の階のダンジョンが重なっている所。
そして第三の条件、下の階に繋がる穴の下にダイバーやモンスターなど誰もいない所。
という訳で、他のダイバーが下の階段に必死こいて向かっている中、俺だけ穴掘りエリアを探すのだった。
★★★★★★★★★★
da6BF
魔法のクワによりダンジョンショートカット
★★★★★★★★★★★
da 7BF
上記と同じ
(しいて違う所をいえば穴を掘ってる最中に立ちションした)
★★★★★★★★★★★
da8FB
「よしっ、ここにするか!」
俺は地下9BFへ通じる穴を掘る、ちょうどいいエリアを探し当てた所だった。
俺はリュックからクワを抜いたその時!
「おいっ!お前、何しとるか?!」
後方から突然、声が聞こえた。
俺は反射的に声が聞こえた方を向く。
そこにいたのは白髪の杖を持った老人がいた。
おかしいっ、、明らかにさっきまで、そこには誰もいなかった。気配察知はずっと作動さしてた。なのに、、
何故、このジジイは突然現れた、、!?
俺はとっさに一歩下がる。そして存在感0を反射的に発動させようとしたとき
「消えても無駄じゃ!ワシはお前が消えてもそこにいるのは当然、分かっとるぞ!」
「何故、それを、、」
「当たり前じゃ!ワシはこのダンジョンを造ったダンジョンマスターじゃ!!だから、お前の行動はぜんぶ見とる!」
「ダンジョンマスター?えっ、ダンジョンマスターってあのダンジョン造れる人。、、、えっ、あの本当に、、?」
そうすると、そのジジイは片手から白く光る球を出した。
そしてその光る玉に、俺が携帯民家の縁側で涼んでるシーンが映る。そして次に俺がオークに対して存在感0を発動し、喉元にナイフを突き立てるシーンが映った。
次に穴を掘るシーンも映った。
最後にダンジョン内で立ちションしてる所も映っていた。
たしかに、こんな事出来るのはダンジョンマスターしかいないか、、
(っていうか、俺のションベンしてる映像はもういいよ)
俺は目の前のいるジジイがダンジョンマスターなのを認めざるを得なかった。
「でっ、、そのダンジョンマスターさんが何か用ですか?、、」
するとクチビルを震わせながらそのジジイは言い放つ。
「ワシが造ったダンジョンに穴を掘るなって言っとるんじゃ!」
「穴あけたらダメですか?、、」
「ダメに決まっとろうが、、ダンジョンに穴を開けたら違う階層の魔素が混ざりこんで、このダンジョンそのものが、おかしくなろうが!!」
俺は普通に魔素が分からなかったので「すみません。魔素が分かりません」と言う。
「魔素っていうのはな、、その階のダンジョンやモンスター、そして、その階層を成立させる、その階層にしかない魔力のことじゃ、だからお前がダンジョンに穴を開けたら、
色々な階の魔素が混ざってこのダンジョン自体やモンスターに何かしらのバグが起こる可能性があるじゃろうが!」
なんか意味が分かるようで、分からない話だな。
魚でいう水質って事かな?
とりあえずダンジョンに穴を開けんな!という事は分かった。ただ、たとえ相手がダンジョンマスターとは言え、そう簡単に俺も分かりました。とは言えない。
正直、この方法を禁じられたら自分の生死に関わる。
元営業マンの交渉のテクニックとして、下手に出なければいけない時はある程度、下手に出ないと行けないが、相手が交渉を持ちかけてきた時は何があっても簡単にYESと言ってはいけない。
そして今の状況、まさしくその時だ。
「とは言ってもな、、一応、自分で見つけたショートカットなんでね、俺もこのダンジョンショートカットがなくなると色々大変なんですよね。正直、生死に関わるぐらい、だったら約束をする代わりに同等の見返りがないと、、、」
その瞬間、ジジイは苦虫を噛み潰した顔になった。
「お前、、つまりダンジョンに穴を開けない代わりに、わしに何かくれと言っておるのか?、、」
「まあストレートに言えば、そうですね。」
そういうとジジイは俺を睨みつけながらプルプル顔が真っ赤になりながら震えた。そして次の瞬間!右手からとても分厚い本を出した。
「ならしかたない!だったら、このダンジョンの全ての階のマップやモンスター、などの全ての情報が載っている、このマツダダンジョン完全公式ガイドをやろう!これで、どうじゃ!!」
マップやモンスターなどが分かる完全公式ガイド!!
その瞬間に俺は一気にボルテージがあがる。
これは正直言って欲しい!!!
これさえ、あれば事前にモンスターの対策もできるし、畑をどこに作ればいいのか、の目星もつく。これからのダンジョンの中で生活をしていく事を考えたら絶対に必要なもんだ!!
ただ、だからと言ってすぐに食い付いてはダメだ。ここで食い付いたら、これ以上、このジジイから何も絞れなくなってしまう。この感じだと粘ればまだイケるはずだ。
俺は必死に平静を装った。
「でもなぁ、それを使えばたしかにダンジョン攻略は早くなるけど、それでも、このクワを使った方が早いしなあ、せめてもう一個付けてくれないと、、」
「まだ、これだけでも足りないのか、、?」
そして俺は一つ気になる質問をしてみた。
ダンジョンニート〜コミュ障なのに営業マンだった俺、異世界転移を機に疲れた心を癒す為、隠者になってダンジョンにこもって野菜を作ります。 プラスチックたろう @nekojita1122
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ダンジョンニート〜コミュ障なのに営業マンだった俺、異世界転移を機に疲れた心を癒す為、隠者になってダンジョンにこもって野菜を作ります。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます