第2話 夏

友達カップルが花火大会に行くと言っていたので、私達も一緒に行く事になった。

その時間に来てみると...彼しか居ない。


...2人にはめられたっ!


彼の浴衣姿、いつものブレザー姿とは違って胸がドキドキする。普段以上にカッコよく見える。


「お前と2人か...。」

「文句ある?」


彼女の浴衣姿...髪を一つにまとめやがって...いつも以上に可愛い。


「何か買う?」

「みたらし団子買いたい。」

「じゃあ、私はりんご飴。」


団子とりんご飴を買い、人から少し離れた所から見る事に。


花火を待つ様に...川も私達も静かだ。


2人の脈拍だけは騒がしい。 



ドーン!


空に大きな花が舞い上がる。


「キレイ!」


「キレイだな。」 


ふいに触れ合った手と手が

ゆっくりと繋がれる...。


ドーン!


2人の顔がゆっくりと近付き...

花火を背景に2つの影が重なる。


花火が映ったからか...2人の顔が赤く染まる...。


「...りんごの味だ。」


「...バカっ!」


ドーン!と花火はまた上がるが...


もう2人には見えていない...。



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