第2話:世界樹と有翼人(詩・童話・その他)
私は
私の
ところで。
私みたいな、動けない
月に一度、気まぐれに。
「──
この日。彼は
***
曰わく、彼は詩人らしい。
私の
「よっ……と」
彼はヒョイ、ヒョイと身をこなし、あっという間に、私の頭に
「ここからの夕日。
彼は、私の一番高い枝に腰を下ろすと、時折、
私の天辺からは、穏やかな海と、開けた空が見える。
「──」
彼は、スゥッ。と息を
ここからは、彼の時間である。
「──
──
──そよぐ
──風は
──
──
──
──
──真っ赤に
──
──
──
「……」
とっぷりと日が沈み、水平線も光をひそめ、星空が
彼は、ヒョイと私から飛び下りた。
「ありがとう。これから
彼は、ゆっくりとした足取りで去って行く。
私は、少しだけ木の葉を風に揺らしてみる。
「……」
彼は立ち止まり、私に振り返る。
「……鳥たちを導く
いたずらに背の高い私には、
「でもね……」
彼は、
「……僕の詩は、僕の羽根よりも、僕の気持ちを遠いところに運んでくれるから」
それだけ言うと、彼は
月が君を照らすには、今しばらくの時間が必要だ。
気を付けるんだよ。と、私は木の葉を風に揺らす。
──また来るよ。
彼の声が、朗らかに答えた。
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