第2話 恋が始まる。

彼は小説家だと言った。


水族館に来ると小説のネタが色々と降ってくるらしく、何回も来ている内にくらげの虜になったんだと言う。


確かに...この美しい不思議な生き物は、人を一瞬で惹きつける。こんな風にふわふわと泳げたらきっと気持ちがいい。


彼とくだらない話をしながら、何回この水槽を眺めただろう?

色々と話す内に、私の中で彼の存在が大きくなっていくのに気付く。


くらげ達に会うより、彼に会うのが楽しみになっていた。


「水族館をテーマとした恋愛小説を書きたい。だから...

僕と恋愛をして欲しい。」


と彼が言い出した。


小説を書く為に言ったに違いないが、私は嬉しくて胸が高鳴った。

くらげ達が今日は一段と美しく見える。


「いいですよ。」


2人の恋愛が始まる…。



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