第7話 這いまわるもの

 今から二十年以上前。

 その当時、既に別れていた元カノが実家に泊まりに来た時の事。

 隣の部屋に寝てもらう事になり、僕は自分の部屋で寝ていた。


 真夜中時分、部屋の中に気配がする。

 元カノが入って来たのかな?と思っていたけど、様子がおかしい。

 四つん這いになって、何かを探し回る様にして、僕の寝ている蒲団の周りをグルグルと這いずり回り始めた。

「何してんの…?」

と訊きたいけど、眠さが勝ってしまい、ガサゴソと何かを探し回る音を聴きながら、深い眠りへ落ちていった。


 翌朝。


「…ねぇ、夜中さ、俺の部屋に来た?」

「行く訳無いじゃん」

「だよね…」


 ……じゃあ、昨夜のあれはいったい何だったんだ……?

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