第25話 党員#3 男のいない村 その25
『そうだ、大事な事なんで・・・今のうちに話しておきますね。』
「村人について・・・ですか?」
『そうです。 関わる際の注意点・・・と、言っておくべきでしょうか。』
俺の主観から見た女に関する常識ってヤツは・・・ この際捨ててしまった方がいいかもしれない。
『村人があなたに何を求めているかと言えば・・・もう、ご存知かと思います。』
子供が欲しいと、くれば・・・ 俺の相棒が鬱憤晴らしに発射するアレ。
でも、俺が貴重な存在とは言え・・・どうしてそんなに欲しがるのだろうか?
『これ、まだお話をしてませんでしたね。』
嫁さんによると、この世界の村人(女性)は〝掟〟と言ってもいい位のこだわりが
あるのだそう。 それは何か?というと・・・
1.アレをする時の姿勢(体位)と出産時の体勢は必ず同じでなければならない。
いきなり「はぁ?」だった。
そんなの自由にやらせてくれよ! なんだが・・・
村人にとって、譲れない強い拘り(こだわり)ってヤツなんだろう。おそらくは。
2. スル時の場所、産む時の場所にこだわる。
これにはほぼ同意。 岩盤のベッドなんて、まっぴらごめんだ。
第一、俺の背中とケツ・・・ 女の方の膝だって持ちこたえるのはキツイと思う。
3. 男を独占しようとする考えは災いを招く。
実際にそれが原因で争いごとがあったらしい。
で、シェアしたら丸く治まった。やはり、失敗から学んだ事は大きかったようだ。
4.生理(月経)は恐怖の知らせ。
信じられなかったが、何年ずつぐらいか寿命が削られてしまうらしい。
30歳を過ぎて未だ処女のままだと、生理の度に体力と抵抗力が落ちていき・・・
40歳で現状が変わらないと、体力と抵抗力は加速度を増して低下してしまい・・・
50歳を生きて迎えることができないそうだ。
ちなみに、村人が死んでしまった場合・・・どうなるのか?
『身体中の水分という水分が抜けきって、細胞組織も骨も崩壊して・・・
最終的に粉のようになってしまいます。』
何で〝乱暴者〟の火葬の話をわざわざしてたんだろうか?
・・・という疑問が解けたような気がする。
そのような最期を迎えた〝粉〟は土に埋められ草木の養分となり、川や湖に流されて
そこに生息している生物の生きる糧になるのだそう。
つまりは火葬する必要が無いため、そうした習慣も存在していなかった事になる。
5.子を持つメリット。
妊娠、出産を経験すると、体質改善されたような変化が生じるそうだ。
まず、気力と体力が充実。加えて病気に対する抵抗力も増していく。
そして、子育てする母親は尊敬の対象となる=社会的地位の向上。
それによってどんな優遇措置が受けられるかは不明だが・・・
やはり、大きいのは寿命が格段に伸びる事のようだ。
例えば10代で出産した場合、その伸び率は顕著になる。
4~50年・・・と、来れば(男が訪れた場合)殺到しそうなものだが、
その10代の人口は極めて少ないとの事。
嫁さんが統治しているこの村で、たった1人しかいないらしい。
ちょっと、会ってみたいという気になった。
6.村人にとって男とは・・・命を繋げてくれる貴重な〝珍獣〟という扱い。
いや、何て言うか・・・ 分かっているつもりでいたけど・・・
チン獣なのか、俺は。 まあ、深入りしないようにという事なんだろう。
肝に銘じておきますかね。
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