第4話 中2の夏休み「逃げ場」
さて、中2の夏の話をします。秋になるとまた悲劇が起きるので、ここで一旦息抜きしましょう。長期休みになると、心にゆとりが持てて体調も落ち着きました。
私の通っていた塾は個人経営という感じでした。今まで集団授業は私の他女子2人しかいなくて、なんだか個別授業みたいな感じでした。中2の夏期講習になると新たな男子のメンバーが揃ってきて賑やかになりました。彼らは私がどんな状況なのかなんて知る由もなかったですし、私は他の人と全然違う地域からきていました。ちょっとぶっ飛んでるやつばっかりでしたがその中に入ると面白かったです。夏期講習中は家族よりも長く一緒にいました。昼飯や夜飯までも共にすることがあり、よき思い出です。ガラの悪いのが5人くらいで買い物行くものですから、隣のスーパーのレジのオバちゃんに覚えられちゃいました。いちごオレ1000mlにストロー付けて飲むやつなんてその先出会ったことありません。私は180円の焼きそばか300円のカツ弁当を食べていました。気分によってはカツを付け足したり、菓子パンを食べたりしていました。「飽きないの?」なんて言われましたけど全然食えましたよ。女子たちがやや冷たい目で
「なんでそんなに食べても太らないのよ」なんて言っていましたね。「いやしょーがないじゃん」って返すと本当に悔しそうに「くぅ~」って言うもんだから大爆笑して最後は炭酸水を勧めました。
男子の方は、私が昼飯と一緒に買った炭酸水を置いておいたらシェイクされてましたね。ちょっと食事してて目を離すと全力でシェイクしていました。目が合うとハハハとお茶目に笑って、私が「てめー、ふざけんなよ」っていうのが日常でした。まあ、私も振り返すんですけどね。こういう対等な関係が私にはどんなに有難かったか。彼らとの有意義な時間は家でやる勉強よりも価値がありました。
私は数学と英語を中心に国語、社会、理科もとっていました。授業を受けていない私でも一定の順位を維持できたのは、ここにカラクリがあったんです。塾が不登校のレッテルから逃れられる、最高の逃げ場でした。不登校の私には学校に行っていないっていうだけで劣等感があります。成績は関係ないんです。それでも大変な受験期を乗り越えられたのもここがあったからなのです。
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