第18話 case18

ノリの提案で、ノリとくるみはダンジョンに行く準備をしていた。


その姿を見た太一が「俺も行って良い? ほしい装備あるから稼ぎたい」と言い、二人は了承していた。


ノリが「セイジはどうする?」と聞くと、セイジは「働かずに稼げるんだろ?行くに決まってる」と言い、結局4人でダンジョンへ行くことに。


くるみがジョブチェンジしたばかりという事もあり、4人は難易度の低いダンジョンに向かっていた。


くるみはノリの装備をフルセットで借り、少し準備運動をしてから、魔獣の群れの中に。


3人はくるみから離れた場所から、魔獣相手に片刃のバトルアックスを振り回し、動き回っている、くるみを眺めていた。


「つい昨日まで『怖い』って泣いてた子だよね?」と太一が聞くと、ノリは「そうだよ?いい動きするじゃん」と嬉しそうに笑い、セイジはため息をついていた。


くるみは周囲の魔獣を倒した後、ノリに近づき「悪くないね」と言った後、ハンマーを手渡される。


くるみはハンマーを持った瞬間「重っ!」と言いながら、ハンマーを軽々と肩に担ぎ、魔獣のいる方へ向かっていた。


「重そうに見えないんだけど…」と太一が言うと、ノリが「最初だけ重いのよ」と笑いながら解説。


魔獣の内臓を飛び散らせながら戦うくるみを見て、セイジは黙ったまま、眉間に皺を寄せた。


一通りの魔獣を片付けた後、くるみはハンマーを担いで3人の元へ。


くるみは「重いし臭い」と言いながら、ハンマーにぶら下がっていた、魔獣の腸を投げ捨てた。


「それはあんたが内臓引き出すからでしょ?」と言いながら、ノリは大剣をくるみに渡す。


くるみは大剣を担いで魔獣の群れの中に行き、魔獣を次々になぎ倒しながら「むずい~~!!」と叫んでいた。


「すんごい簡単そうに振り回してるんだけど…」と太一が言うと、ノリが「角度の微調整が難しいのよねぇ」と言いながら、懐かしむような表情でくるみを見ていた。


しばらくすると、くるみは「しゃらくせぇぇぇぇ!!!」と叫んだあと、魔獣の群れに向かって左手を突き出し、風で魔獣を押し返した瞬間、風の魔法を使って、みんなの元へ文字通り飛んできた。


「これやだ」


くるみはそう言いながら、大剣をノリに返す。


ノリは笑いながら「そういうと思った」と言い、両刃アックスを手渡した。


くるみは両刃アックスを手に持ち、「おお。なんかしっくりいく」と言うと、風の魔法で魔獣の群れの中心へ。


セイジはその姿を見ながら、「…風の魔法だと?」と呟き、目を見開いていた。


くるみは次々に襲い掛かってくる魔獣の中から、1匹だけ大きな魔獣を見つけた。


くるみは「みーっけ」と言うと、アックスの先端に炎を纏わせ、その場でグルグルと回転し始めた。


すると炎は、くるみの姿を消し、竜巻状に燃え上がった後、燃え盛りながら周囲の魔獣を引き込んでいく。


「…炎の竜巻だと?」


セイジが目を見開きながら立ち上がると、炎は勢いよく燃え上がって消え、円の中心には、片膝をついてしゃがんでいる、くるみが現れた。


くるみがゆっくりと立ち上がると、空から魔法石と素材の雨が降ってくる。


「凄すぎる…」


ノリと太一は、その姿を見ながら呆然としていた。


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