第12話 case12
ヒーラー師匠から強くジョブチェンジを勧められた後、くるみはシスターの後を追い、マジシャンの間に。
そこには若い男性が立っていたが、その男性はくるみを見るなり、無言のままくるみのおでこに手を当て、力を籠める。
くるみのおでこには痛みのない衝撃が走り、頭の中に攻撃魔法が浮かんでこびりついた。
すると男性は、小さな声で「ウィザードに行け」と…
くるみはシスターの案内の元、ウィザードの間に連れていかれると、そこには天井がなく、太陽の光が差し込む中、煌びやかなライトグリーンのドレスを着た、綺麗な女性が椅子に座っていた。
女性が「この子?」と聞くと、シスターが「はい。そうです」と答える。
「あなた名前は?」と女性に聞かれ、くるみは「姫野くるみです」と小声で答えた。
女性は少し考えた後、「姫野孝則教授とこずえ教授の娘さん?」と聞き、くるみは黙ってうなずいた。
女性は納得したように「なるほどね」と言った後、くるみのおでこに手を当て力を込めた。
くるみのおでこには痛みのない衝撃が走り、頭の中に属性魔法が浮かんでこびりついた。
「大半の魔獣って言うのは、それぞれ属性を持ち合わせているの。火、水、風、土、この4属性を持ち合わせてて、弱点属性を突くことで効率よく魔獣を撃破できるの。あなたの使い方次第では、常識を逸した戦闘ができるかもしれないわよ」
女性はそう言いながらくるみに笑いかけた後、「ちょっと見ててね」と言い、くるみから離れた。
女性の足元には風が起こり、女性の体がふわっと浮かび上がった。
「すご…」
くるみが小さく呟くと、女性は自由気ままに空中遊歩を楽しんだ後、くるみの前に降り立つ。
「あなたならできるはずよ。 ちょっとやってみましょ。 風を意識して、足元に魔力を集中してみて」
くるみが足元に集中すると、くるみの足元には風が起こった。
と思ったら、ジェット噴射のように勢いよく飛び立ち、一瞬にして姿を消した。
「・・・・・・」
女性とシスターは黙ったまま、空の彼方を眺めていると、小さな点が大きくなってくる。
くるみの体が地面に叩きつけられそうになった瞬間、女性は右手をくるみに掲げた。
くるみの体はふわっと浮かび上がり、叩きつけられることはなく、くるみはゆっくりと降り立った。
「あなた… 適正は?」
「りつ子さんの話だと、マジックウォーリアです」
「…それが良いと思う。 ウォーリア系統になると魔力が半減するけど、あなたにはちょうどいいわ。 現状の魔力が強すぎるから、マジシャン系は危険すぎるし、最悪の場合、今みたいに自爆して死ぬわよ?」
くるみはがっかりしたように俯くと、黒いブレスレットが赤く点滅していることに気が付いた。
女性はそれを見て「メッセージ?あなたギルド加入してるの?」と聞き、くるみは黙ってうなずいた。
女性は少し黙った後「…死人、出さないでね?」と言い、メッセージの開き方と、送信の仕方をくるみに教える。
くるみは教わった通りにそれを開くと、【明日ダンジョン行こ byノリコ】の文字。
くるみは教わった通りに【わかりました】と返信していた。
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