第10話

遠くから大介くんがタラタラ歩いてくるのが見える。






大介

よう。


彩花

!おはよう!


相変わらず、声がレオ様そっくりでびっくりする。


大介

あっちー


大介くんはそういうと近くの自動販売機でジュースを買い始めた。

遅刻してきたのに呑気だなあ。


彩花

遅刻だよ


大介

あー、悪い。寝てた笑


彩花

知ってるー


怒ってるのに、大介くんのペースに巻き込まれちゃって、なんか怒れない私。


大介

2つに分かれて行くんだろ?賢人から電話できいた。

俺ら川下だっけ。


彩花

うん。


大介

なんか飲む?


彩花

え?いいの?


大介

おう。遅刻したから、お詫び。


彩花

え、やったー!

どうしよ、迷う・・・


大介

クスッ


彩花

?なに?


大介

いや、ジュース一本でそんな喜ぶ?笑


彩花

え、だって嬉しいんだもん!


人から奢ってもらえることなんてないし!!


大介

奢りがいあるわー笑


彩花


あ、この人、声はレオ様だけど、普通の男の子だ。

なんか安心した。

そうだよね。同じ19才だもんね。


~~~


2人で川辺を歩く。バスで川下まで来たので、あとは写真を撮りながら大学の方にひたすら歩いていくだけだ。


時刻は11時。


でもまさか大介くんと2人でこんなに一緒にいるなんて思わなかったなあ。


大介

そういえばさ、こないだ言ってた人いるじゃん、配信の


彩花

レオ様?


大介

そうそう。・・その人、好きなの?


彩花

うん、好きだけど。


大介

そうなんだー


彩花

・・・あと、大介くん声がレオ様に似てるよ。


大介

え?あ、そう。


彩花

言われない?


大介

いや・・


彩花

そっかー。そっくりなのになあ。


大介

やめろよ、なんか声とか意識したことないし、、笑


彩花

そっか。


大介

一ノ瀬はさ、その、、レオ様のどこが良いの?


彩花

んー、どこがって言うのは難しいけど、面白いし、なんか安定感あるっていうか。

私、レオ様の声きくと安心するんだよね。


大介

そうなんだ。


彩花

うん。


・・・


大介

あ、あいつら!ずるいわー


彩花

なに?!


大介くんがスマホを見せてきた。


画面にはにっこり笑っている沙羅、正、賢人の3人。

3人の前にはおいしそうなハンバーグ。

ファミレスで休憩しているのだろう。


大介

ラインで送ってきた。


彩花

えー!ずるい!


大介

だよなー!変なスタンプ送っとこう。


彩花

なにそれー笑

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