第2話

彩花は大学1年生だ。


講義の途中、友達の沙羅に話かけた。


「あー、レオ様に会いたいなあ。」


沙羅は私と違って配信にあまり興味が無い。


ネット配信を見ている暇があるなら、買い物や遊びに行くほうが楽しい。


前、そんなことを言ってた気がする。


レオ様ってだれ?と言われたので、説明すると、


沙羅は、

「トゥイキャスかあ、聞いたことないなあ。」

と、呟いた。


「えー、絶対きいたほうがいいよ!ハマるよ!」

と彩花は力強く言う。

友人である沙羅にも配信を聞いてほしいのだ。

一緒に配信の話で盛り上がりたい。


沙羅は、

「ラジオみたいな感じでしょ~?面白いの?」

と怪しむように言う。


彩花は慌てて、

「そうだけど、ラジオより距離が近いし、、。何よりも、レオ様が最高なの!」

と言った。


ここから私は沙羅にレオ様のことを話した。


~~~


「あはは、彩花オタクじゃん。」

と沙羅が面白がって言う。


そんな沙羅に対抗するように、

「いや、一回きいてみてよ!レオ様の声はイケボって言われてて」

と言った、その時。



『うるさ。』





と、後ろの席から声が聞こえてきた。


賑やかな教室の中で、なぜかこの言葉だけがはっきり聞こえてきた。


「私たちに言われている。」


彩花はなぜかそう思って、後ろを振り返った。


後ろの席には、四人の男子大学生が座っていた。

見慣れない人たちだ。

きっと同じクラスの生徒なのだろう。



1人は寝ている。

あとの2人は喋っている。



もう一人は、頬杖をついて私をじっと見つめていた。


ばっちり目が合っている。


数秒が経った。


気まずく感じた彩花は前を向いた。




さっきの「うるさ。」って、この人が言ったのかな。



「沙羅、後ろの席に座ってる人たちって、同じ一年生だっけ?」


彩花は隣に座っている沙羅に聞いた。


「え?」


といい、沙羅は後ろを振り返った。


そして、納得したような顔で笑い、また前を向いた。

「そうそう。よく四人でいるじゃん。あの人たち。」

と言う。


彩花は

「そうなんだ。」

と呟いた。


沙羅は

「クラスの中でも目立ってると思うよ。あの人たち。」

と続けた。



~~~

授業が終わる時間になった。


教授は、

「じゃあ、今日はこれで終わりです。」

と言って、片付けを始めた。


大学生たちも一斉に片付けを始めた。


ザワザワ


先程までの静かな雰囲気と違い、教室が一気に賑やかになる。



「ふぁ~~」


後ろの席の男子学生があくびをしながら起きた。





『なー、これからマックいかね?』


片付けをしていた、彩花の耳に入ってきた声に、つい片付けの手が止まってしまった。


あれ・・・?


ペンケースを持ったまま、考えてしまう。


「レオ様の声?」


「いま、後ろの席からレオ様の声が聞こえたの。」

と彩花は沙羅に言う。



「レオ様って、さっき彩花が話してた人?」

と沙羅が聞く。


「うん。」

と彩花が興奮気味に答えた。


すると、沙羅は

「でも、そのレオ様っていう人、有名人なんでしょ?

大学にはいないと思うよ。」

といった。


彩花は段々冷静になってきて、

「そうだよね。聞き間違いかも。」

と答えた。


そうだよね。

大学にレオ様がいる訳ないよね。


沙羅は

「声が似ている人なんじゃないかな?」

と優しく付け足した。


彩花は

「そうかもしれない。」

と言って笑った。


でも、、、



「かっこよかったな」


思い出したでけでも、ついニヤニヤしてしまう。

似ている人がいるだけで、こんなに胸がときめくんだ。


は~




「だからレオ様じゃないって 笑」

と沙羅が冷静に言った。

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