第一章〜憧れの冒険者〜

「こちらです!どうぞ〜」


小気味の良い元気な声と共に部屋へと通される。そこは部屋の中に布が掛けられたテーブルとイスがあるだけのシンプルな部屋だった。


「この部屋でお二人の登録手続きをして頂きますっ!あ、申し遅れました。私、ネールと申します!今年ギルドに入ったばかりの新人ですがよろしくお願いします!」


「あ、鏑木 カブラギ斎馬 サイマです」


「俺は響谷 ヒビキヤ蓮斗 レント、よろしくー!」


「えっと・・・、サイマさんとレントさん・・・ですね、よろしくお願いしますっ!」


ペコリ、と礼儀正しく頭を下げるネールに俺と蓮斗 レントもつられて頭を下げてしまう。可愛らしい見た目と相まって俺はすぐに親近感が湧くのを感じた。


(・・・なにより、さっきのあの恥ずかしい場面を無かった事にしてくれるなんて良い子だ・・・!)


自分よりやや年下であろうネールに、感謝の念を密かに送っていると奥の扉がコンコン、と叩かれた。それに気付いたネールがすぐに扉の方へと身を翻す。


「あ、魔道士の方が見えたみたいです!お二人はそのままお待ちください!」


そしてネールが扉を開けた先には、赤い生地に装飾が施されたローブを身に纏う男性が立っていた。そこにいるだけで厳粛な雰囲気を醸し出す男性は、俺と蓮斗 レントの方を一瞥すると、


「お待たせしました。私が貴方達二人を担当させて頂く魔導審査官です。よろしく」


とさらりとした口調で挨拶を口にした。


「あ・・・よ、よろしくお願いします!」


「よろしくお願いしますっ!」


「では始めましょう。お座り下さい」


そして挨拶をするなり、すぐに席へ促され、俺と蓮斗 レントは椅子へ腰掛けて魔道士と対面する。それを見たネールは再びペコリ、と頭を下げると足早に部屋を出て行った。どうやらギルドの登録は魔道士だけで行うらしい。


「ではこれからいくつか質問をします。これは私達、ギルドと結ぶ誓約になりますので嘘偽り無くお答えください。答えられない、答えたくない物については答えなくて結構です。ただし、さすがに名前などの基本的な情報すら開示出来ない場合、登録は困難になりますのでご了承ください。では、始めてもよろしいですか?」


「・・・は、はい!」


緊張の交じる俺の返事と共に手続きは始まった。魔道士の手元に書類が広げられ、名前、性別、年齢、と形式的な質問が続いていく。滞りなく手続きが続き、少し緊張も解れてきた頃、ついに二人の最大の懸念事項であるその質問は投げられた。


「では、差し支えなければお二人の出身地はどちらですか?」


(き、きたっ・・・!!)


ある意味聞かれたくもあり、聞かれたくない質問が俺の耳に届き、俺は体温が上がるのを感じた。思い出すのは先のラングの別れ際の言葉。


「 サイマ、レント。誓約の際、正直に事情を話してみろ?大丈夫、必ず力になってくれる。ここはそういう場所だからな」


彼は二人が別世界から来た人間だと確信していたのだろうか。そしてそういう場所、というのはこのギルドはそういった異世界から来た人間を知っていて理解がある、という解釈で良いのだろうか?


ここで異世界から来たと打ち明け、向こうがそれを受け入れて様々なアドバイスが貰えれば当然、斎馬 サイマ 達の未来は明るくなるのは間違いない。


だが逆のパターン、異端者のような扱いを受ける事もあるかもしれない、という予感は拭い切れない。


答えの出せない俺は傍らに座る蓮斗 レントの眼を見た。俺に見られている事に気付いた蓮斗 レントは俺と眼を合わせ、コクリ、と頷いてみせた。


いつものように強い意志を感じさせるその瞳に俺は背中を後押しされるように口を開く。


(悩んでも何も始まらない・・・ラングさんを信じろ・・・!!)


「・・・オレ達は、別の世界からここに来ました」


俺が発した言葉に一瞬の間が空き、対面する魔道士のフードに包まれた顔が僅かに上がるのが分かった。


(さあ言ったぞ!もう後戻り出来ないっ!!)


ほんの数瞬の間に強い緊張感が身体の中を走るのが分かる。祈るような気持ちでいると魔道士が言葉を発した。


「ほほう、やはりそうでしたか」


「え・・・?」


予想外の反応に俺は呆けた顔をしてしまう。何と、向こうは既に自分達が別世界の住人だと見抜いていたというのだろうか。


「な、なんで分かってるんですか!?」


やはり驚きを隠し切れないのだろう。蓮斗 レントが椅子をガタリ、と鳴らしながら立ち上がる。しかし、それに対して魔道士は至って冷静そのものだった。


「まあまあ、落ち着いてください。まず気付いた理由ですがね、それは貴方達の名前ですよ」


「名前・・・?」


やんわりとした態度を返され、腰を再び椅子に落とした蓮斗 レントが聞き返す。


「そう、名前です。私は職務上、名乗れないのですが、例えばさっきの受付嬢はネールと言ったでしょう?あの娘のようにこの世界では、貴族階級や一部の名のある家系以外は名字を持たないのが普通です。それにあなた方の名前はこの辺りでは滅多に目にしない物だ。それが一度に二人、しかも日常的な事に慣れた感じもない、ついでに難民とくれば異世界人ではないか、と経験の豊富な者なら考えるのが普通ですよ」


「そう、なんですか・・・」


名前とは盲点だった、と思う。俺達はラングやハリス、ネール相手に普通に自分のフルネームを名乗っていた。それはこの世界において自分が別世界の人間、つまり異世界人だと自ら宣伝している事に他ならないのだ。


(てことはラングさんも最初の内から気付いてたのか・・・)


思えば、ハリスの最初に見せた考えるような顔もあの段階で俺達が異世界人だと見当を付けていたのかもしれない。


「ですから、この世界では下の名前だけで名乗るのがよろしいでしょうね。アルドラードでは異世界人に寛容な人間が多いですが、全てがそうとは限りませんし・・・」


「ち、ちょっと待ってください!それってつまり、異世界人は他にもいるって事ですか??」


寛容、という言葉の裏には前例があり、周知されているという前提が必要になるはずだ。自分達以外の異世界人の可能性に、俺は思わず魔道士の話を遮っていた。


「ええ、いますよ。何しろこのギルド”救世の光”を設立した光の勇者様は異世界人ですからね」


「ええっ!?」


「勇者が異世界人・・・!?」


「はい。諸説、言われていますがこの世界、イスラルディアは様々な神や精霊を始めとする神秘の力が混在した世界である為、空間が不安定になりやすく、そうした異世界人来訪という事例が数年に一回程度の頻度で起こっていると言われています。そして異世界人はこの世界に来る際、この世界に合うように魂の情報を書き換えられ、その為に特殊な力を身に付ける事があるようです。勇者様はその最たる存在と言えましょう」


「異世界人来訪・・・特殊な力・・・」


正直、数年に一回では会えるかどうかも怪しいし、そもそも同じ世界の人間かどうかも分からない。それよりも俺は特殊な力、という方に興味があった。


「ええ、あなた方にも何かしらの能力があるはずですよ?まずは自らの力に気付き、そしてその力を操れるようにする事です。ちなみに光の勇者様の力、我々は異能と呼んでいますが、その異能は”不滅の光”と呼ばれるものでした」


「どんな、どんな能力なんです??」


異界から来た者が扱う力だから”異能”と、いうのだろうか。そして異能、という言葉に食い付いた蓮斗 レントが早くその先をと、催促せんばかりに前のめりになる。


「お、落ち着いてください・・・。伝説では勇者様の放つ光は時に剣となり、盾となり、ある時は敵を穿つ矢となり、ある時は行く先を照らす希望の光となったそうです。その光は如何なる魔法を持ってしても消し去る事は出来ず、勇者様が強くなる程にその光も強さを増したとか。この異能こそが勇者様が光の勇者、と言われる由縁ですね」


如何なる魔法を持ってしても消せない光。しかもそれは武器にもなれば身を守る盾にもなる。実体化し、絶対的な力を持つ光の異能。


(それってもはやチートじゃないか・・・)


まさに人類の希望を背負って立つ勇者に相応しい能力だ。

しかし、逆を言えば自分達にもそんな勇者のような力が宿っているかもしれない、という事だ。


「あなた方の異能が何かは分かりませんがそれを見付けることも一つの目標となるでしょうね。――異世界人についてはそんな所でよろしいですか?では、残りの質問を済ませて今度はギルドについて、そして冒険者について説明しましょう」


そうして残りの手続きを済ませた俺と蓮斗 レントは魔道士から様々な説明を受けた。ギルドにおける冒険者の役割、ギルドの利用の仕方、そして最低限のこの世界の常識などだ。


「――こんな所でしょうかね?あとはおいおい、少しずつ慣れていってください。ではギルドパスを発行しましょう」


そう言うなり、剣の形をした銀の首飾りを二つ取り出すと、魔道士はその首飾りを握り締めて意識を集中した。すると、魔道士の握り締めた右手がぼんやりと光を発し、首飾りへと吸い込まれていく。


「こ、これは・・・」


初めて見る光景。しかし、俺の身体はその存在を感じ取っていた。直接、眼には見えないが魔道士の体内を蠢き、首飾りへと作用する、その何かの力を。


(この世界には魔法があるとこの人は言っていた。――間違いない、これが魔力だ・・・!)


異世界に合わせて最適化された俺の魂は魔力を感じ取り、操る力も手に入れているらしい。今、感じられるのもそのお陰なのだろう。


「はい、終わりました。これがお二人のギルドパスになります」


光が首飾りに吸い込まれると、魔道士はその剣の首飾りを俺と蓮斗 レントに手渡してくる。


手の中で首飾り――ギルドパスがチャリ、と小気味の良い音を立てた。


「こいつで俺らの事が分かるんですか?」


早速、とばかりに蓮斗 レントがギルドパスを上下左右から眺めながら魔道士に質問した。


「はい。それをテーブルへ向けて魔力を込めてみてください」


「え!?―――魔力を、ってオレも蓮斗 レントもまだ魔法の一つも・・・」


「大丈夫です。先程、私の魔力を感じていましたね?この世界に来た時点であなた方には最低限の魔力適性が身に付いているはずです。ただ、魔力を込めるくらいなら集中するだけで出来ますよ」


戸惑う俺に、魔道士はさも当たり前のようにそう言ってくる。


(―――そうは言ってもどうやって・・・)


「ふんっ・・・!ん・・・?おおっ!」


考える俺の横で蓮斗 レントが短い気合いと共に力を込めた。すると、ギルドパスが光を発し、それがテーブルの木目模様の上に文字を映し出す。


「これか、これかぁっ!!」


喜ぶ蓮斗 レントの手元には蓮斗 レントの登録情報が映し出されていた。どうやら、ギルドパス自体が個人情報を保存する記憶端末の役割を果たしているらしい。


「マジか・・・すごっ・・・」


「おお、すげぇよコレっ!斎馬 サイマ!お前もやってみろよ?簡単だぜ!集中してこう、身体ん中の熱いヤツを手に持ってくるんだ!!」


驚く俺に蓮斗 レントは熱い口調で捲し立ててくる。それに気圧されながら、俺も手に力を込めて集中してみる。


「ほ、ホントか・・・?んーと・・・、こ、こうかな・・・?」


身体の中に意識を持っていき、集中する。すると、間もなく体内で流れる熱い感覚を感じ取った。熱い飲み物を胃に流し込んだ時のような感触を身体のそこかしこに感じる。


そして、それをギルドパスを持つ右手の方へと動かすイメージを俺はする。すると、体内の熱さがそれに呼応するように、するすると右手に集中していくではないか。そして、未知の感覚と共に俺のギルドパスも光を放つ。


「光った・・・!?」


驚きながらその光をテーブルに当ててみる。すると、先程の蓮斗 レントと同じように文字の羅列がテーブルへと映し出されていく。


登録された名前はサイマ。冒険者階級は”新米 ルーキー”。そして空欄になった所属パーティと職業の欄があり、レベルは1、と書かれていた。


「で・・・出来たのか・・・?」


「おお!やったな斎馬 サイマっ!!」


「あ、ああ・・・やったよ!!」


初めての魔力を行使する感覚に俺は興奮を隠せなかった。しかし、同時にギルドパスが映し出した情報に新たな疑問が生まれる。


「職業は何となく分かる気がするけど・・・レベルがあるんですか・・・?」


レベルを上げればそれだけ能力が上がって強くなるとでも言うのだろうか。


(――それこそゲームみたいに・・・)


疑問を抱く俺に魔道士は柔らかい口調で説明を始めた。


「ええ、そうです。ある程度の理解があるようですね?あなた方がどう理解されているかは分かりませんが、この世界におけるレベルというのは、いわゆる魂の練度です」


「魂の練度・・・?」


ピン、とこない言葉に俺と蓮斗は首を傾げた。


「はい。例えばあなた方が魔物を倒したとしましょう。その魔物にも我々と同じように魂が宿っています。そして、その魂の一部を倒した者はその身に吸収し、自らの魂の糧とするのです。これを我々は”エクト”と呼び、エクトを繰り返せば繰り返すほど、魂の練度。つまり、レベルが上がり、身体能力、魔力、精神力と言ったモノが強化されていくのです」


「エクト・・・ですか。じゃあレベルを上げるとどんどん強くなるんですか?」


まさかゲームのキャラのように、レベルアップする毎にどんどんステータスが上昇して、それこそ常人の十倍や二十倍、果ては百倍の力を手に入れられるのか。話を聞いても俺はどこか半信半疑だった。


「ええ、もちろん修練や技術、戦闘スタイルや装備、本人のコンディションや精神的な問題等、強さの優劣には多くの要因が絡みますが、単純にレベルは強さの根幹となる部分を底上げしますから、レベル=強さ、という考えは戦いに身を置く者にとって最も一般的な指標となっていますよ」


「そう・・・なんですか・・・」


「そんなに変わるのか?魔道士のオッサン、悪いけどイメージ湧かないっすよ?」


説明を受けてもまだ首を傾げる俺と蓮斗 レント。それを見た魔道士はフードから覗く口元をニヤリ、と曲げてみせると両手を俺達の前に伸ばした。


「ふふ、では試してみましょうか?私は日頃、こうした業務や事務仕事に追われ、力仕事と縁の無い魔道士です。そんな私の両腕を今からお二人が全力で引っ張って、私を椅子から立たせて見てください」


「へ?二人で、ですか?」


「そんな、いくら何でも余裕ですよ?」


「ふふふ、ならどうぞ試してみてください?」


戸惑い、そしてさすがにこれは自分達の事を舐め過ぎだろうと俺は思った。自信に満ちた態度を崩さない魔道士の男の態度に俺は対抗心のようなものが芽生えるのが分かった。


「じゃあ・・・そこまで言うなら・・・」


「おう!ケガしても文句なしだぜ?」


俺と蓮斗 レントはそう言って魔道士のローブから覗く手首を片手で掴んだ。掴んだ腕はやはり本人の言う通り細く、とても成人男子二人の力に耐えられそうもない。


「さあ、私はこのまま動きません。どうぞ?」


ゆったりと背もたれに背中を預けた体勢で魔道士はそう言った。俺は蓮斗 レントと目を合わせ、掴む手に力を込めた。


「よし・・・「せーのおぉっ!!」」


そして気合いと共に一気に二人で引く!


「うっ!?動かない・・・!?」


「おい、嘘だろっ!?」


まるで釘を打ち付けて固定したように伸ばした魔道士の両腕はピクリ、とも動かす事が出来ない。


「くそっ・・・これなら・・・!!」


そしていよいよ動かせない俺と蓮斗 レントはなりふり構わず、両手で魔道士の腕を掴み、立ち上がって思い切り引き上げようとした。


「うっ・・・おおぉぉ・・・!!うご、かないぃっ・・・!?」


「らあああぁぁっ・・・・・・!!んだよ、これぇっ・・・!?」


渾身の力で引き上げようとする俺と蓮斗 レントだが、魔道士は動く気配は無く、笑みも全く崩れない。


「あああぁぁっ!!もうっ、無理だぁっ!―――はぁっ・・・はぁ・・・!」


「くっそ・・・なんで・・・・・・だよっ!?」


そして、ついに力を使い果たした俺達は息を切らして椅子に座り込んでしまった。それでも尚、魔道士の笑みは崩れない。


「ふふ、実感しましたか?これがレベルの差です。もちろん私は魔法でどうこうした訳でも、身体を鍛えまくってる訳でもありません。ギルドで信頼される高位の魔道士はレベル50以上は当たり前です。つまり、このレベル差が今のこの状況を作った、という訳です」


「マ、マジかよ・・・・・・」


隣で蓮斗 レントがため息をつくようにそう言った。そこには驚きと妙に納得した様子も伺える。しかし、それは俺も同じだった。いくら、異世界とはいえレベルで個人の強さが決まるなど現実味の無さすぎる話だ。

だが、魔道士は俺と蓮斗 レントにその事を身をもって体験させたのが何よりの証明だ。


「―――じゃあ、レベルを上げていくのが強くなる近道、という事なんですか?」


「はい。レベルが上がればギルドの中での階級も上がり、より危険度の高い依頼も受けられますしね。なのでまずは戦闘技術を学びながら弱い魔物を倒していくのが一番の近道でしょう」


「はぁ。まさかここに来てレベル上げするとはなぁ・・・」


蓮斗 レントが意外だ、とばかりに呟く。俺もそれと似たような気持ちだった。ゲームの中でキャラクターのレベルを上げることはあったがまさか、自分がそうなるとは思わず、今後が楽しみなような戸惑うような不思議な気持ちだった。


「では、職業についても説明しましょう。職業はもちろん普通の仕事の事ではなく・・・・・・」


と、その時部屋の向こうが突如、騒がしくなるのを俺達は聞いた。何か、怒鳴りあう声とけたたましい足音。


「な、なんだ・・・!?」


突然の異変に俺達は立ち上がり、部屋の外の様子に意識を集中した。何かが起きている、という漠然とした感覚が俺の全身に警鐘を鳴らしてくる。


そして、数秒が経った時、ギルド中に反響するような音量で声が鳴り響いた。


『 ――――緊急通達!緊急通達!現在、当ギルドに待機している全冒険者に通達します。緊急依頼がたった今王国より下されました。場所は王国西のレアム炭鉱。報告では未知数のアントラーの大群が発見され、現在、レアム村の駐屯騎士達が応戦しています。敵の総数、その他詳細は不明。ですが既に駐屯騎士だけでは抑え切れず、村の被害は甚大との事です。これは国の大事に関わる緊急事態。事態を収めればそれ相応の報酬を約束するとの事です。戦える方は一人でも多く武器を取り、この戦いに参加して欲しい。……以上、ギルドマスターからの緊急通達でした。依頼を受ける方はエントランスへ10分後に集合してください!』


「―――緊急依頼・・・!?」


「魔物の大群だって!?・・・ヤバくね!?」


「あ、ああ…」


ギルド中に響いた放送。慌ただしく動き回る人達の騒音と焦る気配。

元いた世界ではありえなかった非日常の入口。それが今、俺達の前に開こうとしているのを俺は呆然と立ち尽くしながら感じ取っていた・・・・・・・・・。









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