第48話 十年前の夏の想い出

10年前、中学時代に隣の席だった女子(友人T)と、実に18年振りくらいに再会した。

吉祥寺で中華を食べながら語って、近々また会おう!と別れた。


しばらく連絡を取り合ううちに、日曜日に友人Tが江ノ島でオーセンティック・スカのバンドのライヴがあるから聴きに行くというので、僕も便乗させてもらう事に。

スカというのは音楽ジャンルの一つ。1950年代にジャマイカで発祥し、ロックステディやレゲエなどの先祖的な音楽である。ホーンセクションのノリがカッコいい。

日本では、東京スカパラダイスオーケストラが有名なバンド。


昼過ぎからライヴが始まるらしい、という話だったので、のんびり支度して出掛けた。

彼女は友達と車で行くというので、現地で落ち合う事に。


乗り換えの為に新橋で降りると、めちゃくちゃ綺麗な空の色!

うーん、夏だねぇ、としみじみする。


軽く昼食をとり、江ノ島へ向かう。

江ノ島駅を降りて道なりに進むと、そこは…江ノ島だっ(当たり前だ)!!!!!

いやー、遂に来ちゃいましたねー、と一人テンションが上がる。

江ノ島には色々想い出があるので、懐かしみながら歩いていると、友人Tから電話が。

「渋滞っぽいからちょっと待っててね。ごめんね」

ありゃりゃ、可愛そうに。

適当に時間を潰す事にする。


浜辺に出ると、目の前はだだっ広い海!

サマードレスのお姉ちゃんたちや水着姿のお姉ちゃんたち、そして黄色いキンカンの看板が眩しい。


ビールを探して彷徨うが、海の家に行った方が早いので、先にライヴが行われる海の家に入り、飲み始めた。

何杯か飲むうちに店員さんに顔を覚えられ、

「ピッチ早くないっすか?」

と心配される。

大丈夫。 潰れません。 潰れませんとも。ういー。


友人Tとその友人も合流し、ライヴを堪能する。

いや~、スカはいいねぇ。

酔いがまわるうち、僕もノリノリになってきて、お客さんたちや、演奏中のバンドじゃない他のバンドのメンバーさんたちと一緒になって踊りまくった。

いや~、楽しい!!!!!生きてるって素晴らしい!!!!!


夕方にライヴが終わり、沈み行く夕陽を見ながら、ちょっとおセンチな気分に浸る。


すると、ライヴ途中から合流した友人Tの友達のSさんが「葉山に行きたい」と言うので、友人Tの車で葉山に向かう事になった。


森戸海岸に着く頃には、陽は暮れており、お腹も空いたので海の家に行く事にする。

夜の砂浜を歩いていると、友人Tが

「何か青春っぽいよね」

と言ったので、三人で笑った。

でも、確かにそうだ。


結局、海の家は混んでいたので、近くのファミレスで食事をして帰る事にした。


「また近々遊ぼう!」

「そうだね!」

「また連絡するね!」


ああ、幾つになっても心はあの頃のままだ。

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