第37話 ニューヨーク武者修行の旅1
成田空港を2009年11月16日の夜に発ち、JFK空港に2009年11月16日の夕方に着いた。
日本からアメリカへは地球の自転に逆らって移動するからだが、何だか時間だけ考えるとタイムトラベルしてるような気分である。
JFK空港からイエローキャブに乗り、ハーレムにあるドミトリー(相部屋の宿泊施設)に向かう。
運転はかなり飛ばす感じで荒々しい。
まだ宵の口だというのに、人通りはほとんど無く、異国に来たのだ、と思った。
途中、運転手さんが何も言わずにガソリンスタンドで給油を始めたり、レゲエをかけたりして
「さすが、自由の国」
と思ったりした。
ブロンクスからマンハッタンへ渡る橋を越えたとき、橋の上からいわゆる「摩天楼の100万ドルの夜景」が見えて、
「遂にニューヨークに来たんだ!」
と興奮した。
今回の旅行は、かつてGARUDAというチームを組んでいたダイちゃんと、ダイちゃんの生徒であるコウタくんとミカちゃん、そして僕の4人で来ている。
僕ら男は同じドミトリーに泊まり、ミカちゃんは別の宿泊施設に泊まるのだが、まず俺らが泊まるドミトリーがなかなか見つからず、ウロウロする事に。
幸い、運転手さんが優しい人で、親身になって探してくれた。
とりあえず、ドミトリーが見つかり、ミカちゃんを運転手さんに任せて見送った。
僕らの滞在するドミトリー「I love dormitory」は日本のダンサーに人気なようで、スタッフの人に施設内の案内を受けていると、俺らの部屋の入口に一枚のノートの切れ端が貼ってあって、そこに「So Deep」と書かれていたから、
「まさか、日本のダンスチームじゃないよね?」
とスタッフさんに訊くと、
「お知り合いですか?」
と逆に訊かれた。
どうやらプロモーションビデオの撮影に来ていたらしい。
他にもルームメイトの世界くん(後にEXILEのメンバーとなって驚いた)や、他の部屋のリナちゃんも日本から来たダンサーたちだった。
ダイちゃんは早々に、1ヶ月前からニューヨークに滞在している知り合いのダンサーの子とパーティに出かけ、後から僕とコウタくんもクラブイベントで合流する事にして、とりあえずドミトリー周辺にある店を調べに散策する事にした。
ダイちゃんを135 St.駅まで見送る際、みんなで1 week unlimitedという、27ドルで地下鉄に一週間乗り放題のメトロカードを購入。
僕とコウタくんはスーパーマーケットに寄り、水や洗剤、ビール、つまみなどを買い込んで、腹も空いたので、近くのデリでサンドイッチも購入。
ドミトリーに戻って乾杯した。
夜、ダイちゃんから電話が来たので、シエロというクラブで待ち合わせる事にした。
地図を片手にウロウロし、シエロを探すがなかなか見つからない。
寒いし、トイレにも行きたいので、近くにあったバーに入った。
カウンターのお姉ちゃんに
「ごめん、トイレに行きたいんだけど…」
と言うと、
「地下にあるわよ」
と快く教えてくれた。
さっぱりした後で、そのまま出るのも気が引けたので、とりあえずハイネケンを注文した。
「持って帰っちゃマズい?」
「ここで飲んでって」
コウタくんは外で待ってたので、一気に
お姉ちゃんは笑っていた。
道行く人達にシエロの住所を伝えて地図とにらめっこし、ようやくシエロに辿り着いたものの、僕はついウッカリしてドミトリーにパスポートを置いてきてしまっていた。
クラブはIDが無いと入れないんだった。
仕方が無いので、コウタくんに入っててもらい、自分は帰る事にした。
最寄の14 St.駅に向かいがてら、さっきのバーに寄ってまたトイレを借り、ハイネケンをまた飲んだ。
「お友達は?」
「俺はID忘れちゃってクラブ入れなくて、友達だけ入ったよ」
すると、ダイちゃんから電話が入り、
「多分、行って戻ってきた頃にダニー・クリビットが回すから、パスポート持ってきなよ」
と言うので、慌ててバーを出た。
地下鉄に乗り、135 st.に戻ろうとして、ついウトウトと眠りこけた。
気づけば、電車の進行方向が変わっていた。
折り返していた。
ヤバい。乗り換えないと。
進行方向が逆の電車に乗るには、一回一回改札を抜け、通りを挟んだ反対側の入口から乗り換えなければならない。
1 week unlimitedを買ってて良かった。
とりあえず次の電車を待つが、時刻表がラッシュアワー、昼間、夕方、夜、深夜みたいな大雑把な状態で、来た電車に乗る感じなので、次に何線が来るか分からない。
ドミトリーの最寄り駅はBかCしか停まらないのだが、来る電車はみんなAとDばかり。
結構待ったがBもCも来ないので、A、B、C、D全て停まる125 St.という135 st.の一駅手前で降りて、歩いてドミトリーまで戻ってきたのが明方だった。
(後で知ったのだが、時間帯によって運行してる線と運行してない線がある)
クラブのイベントは4時か5時までだったので、
「ごめん、行けなかった。今、ドミトリーに戻ってきたとこ」
とダイちゃんに電話して寝る事にした。
とりあえず、電車の乗り方はわかった。
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