第35話 TRPGとの再会

三十歳くらいの頃、ふと「TRPGがやりたい」と思う様になり、秋葉原や新宿のイエローサブマリンや書店巡り、古書店巡りをする際には、目を皿のようにしてTRPG関連書籍を探す様になった。東急ハンズなどで多面体ダイスをちょこちょこ買い集めたり。

特にキッカケの様なものは無かった。自分自身が好きなものに囲まれたい、という欲求の賜物だろう。

CLUBで知り合ったダンサーの友人とTRPGの話題をしたりして(見た目などから、よく「ウェーイ」なパリピたちだと誤解されがちだが、実はダンサーはオタク文化と非常に近しい。一人で「どうしたらあの動きが出来る様になるだろう?」と自問自答しながら動きの研究に没頭したり、マニアックな音源を探したり、ダンサー同士でダンスのビデオのダビングをし合ったりして、かなりオタク的な側面が強かったりする。実際、ダンサーの中にはゲームオタクや漫画オタク、アニメオタクなども多い)、「僕はもう遊ばないけど、良かったら役立てて」とルールブックを譲って貰ったりする事があった。

また、当時某SNSに登録しており、ファミコンソフト『キングオブキングス』のコミュニティのオフ会や、池袋でTRPGのオフ会などに参加する様になった。

TRPGのオフ会は、丁度同年代くらいのメンバーが多かったという事もあり、『ソード・ワールドRPG』や『ダンジョンズ&ドラゴンズ』、『ロードス島戦記コンパニオン』といった、丁度中学生の頃によく遊んでいたシステムの卓を立てて遊んだ。

徐々に僕の本棚はTRPG関連書籍や『人狼』や『ごきぶりポーカー』、『ニムト』などのカードゲームで埋まる様になってきた。

当時はダボダボのオーバーサイズのTシャツ、腰パン姿のいかにもダンサー然とした服装をしていたが、カバンの中に入っている文庫本が『D&Dがよくわかる本』だったり。

自分で言うのも何だが、人は見かけによらないのである。

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