第2話
「蛇とか言った記憶無いんだが」
上野君は頭はいいのに、会話を記憶したがらないタイプの人だ。事実、彼と話していると、幸福度が減る。だって、何にも覚えていないんだもの、記念日的なやつ。最初はとてつもなく驚いたが、慣れてしまった。でも今でも話していてどことなく悲しくなる。
「あんた確かに言ったよ。覚えてんでしょ」
彼は多分覚えてないだろう。
「覚えてないよ」
「嘘やん、んな事言っちゃって、覚えてんでしょ」
恐らく彼は覚えてないだろう。
「あ、思い出したわ」
珍しいな、まぁいいか。
「聖書に出てくる蛇、内容は忘れた」
「へぇ、ありがと」
なんでなのか知りたいのに、役に立たない。それに、世界史の授業を全て眠りに費やす私にとって未知数の世界すぎて困る。てか、蛇なんて出たっけ。
蛇の習性 @yuri14120807
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