第9話 半強制的な合意
シェイクスピアは「期待はあらゆる苦悩のもと」だと云ったが、俺は既に苦悩しているから耐性がある。
そして、悔しさと面倒臭さを匂わせながら川上祐樹は宣言する。
「わかりました。貴方たちに協力します……」
「よし。その心意気だ」
霧崎が勝ち誇った顔で右手を握り、天へ突き出している。歯を光らせ白と黒の輝きが暗い部室の中でよく目立っている。
「やれやれ困ったお人ですね……」
「本当に呆れる……」
どこまでも自由奔放な霧崎に森下と竹内が唖然としている。これがこの部の平常運転なのだと竹内がこっそり俺に囁いた。
この日、俺は三人が能力者の中でも特に逸脱した存在であることを理解した。
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