第6話 突然の来訪者

 ぼやけていた視界が戻ると、彼女が席を立ったのが観測できた。静かに椅子を戻すと、こちらに近寄ってきた。

 上履きの波動が広がると俺は息をのみ、無意識に身構える。あの時と同じような心情で歯を食い縛る。構わず彼女はこういい放つ。

「あなた能力者?」

面食らった。見透かしたような視線を向ける彼女に対峙している青年はイエスともノーとも言わず、戸惑いと図星を隠すように黙りこむ。

 今彼は良い手段、言い訳を持ち合わせていない。突然のことでなぜバレたのか考えずにはいられない。

 そんな彼を女子生徒は慈愛に満ちた瞳で見ている。暫くして、彼女は口を開く。

「ちょっと来てもらえる?」

そう言われ、薄暗い古城のような旧校舎を案内された。到着したのは一つの部室であった。

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