類友はカルマに従う 番外編2-⑤
十四時半。
羽琉は少し疲れていた。
今日は外出できなかったせいもあるかもしれないが、これは精神的なものだ。一度芽生えてしまった焦燥感はそう簡単に消えてくれない。
イヤホンを取り、天井を仰ぐと目を瞑り溜息を吐いた。
エクトルは仕事をしながら独学で日本語をほぼマスターしていた。
どうやったら半年であそこまで話せるようになるんだろう。
不思議に思いつつも、自分ができないことに羽琉は凹んだ。
「あ、ご飯……」
気分が沈んでいたからか、今頃になって昼食を摂っていなかったことに羽琉は気付いた。集中していたからか、空腹も感じない。それに気分的なことでどうにも食べる気にならなかった。
それでもせっかくサラが作ってくれたのに口をつけないのは申し訳ないと思い、羽琉は取り敢えずリビングへと向かった。
テーブルの上には、ハムとチーズとサラダを挟んだバケットとチキンフリカッセ。小食な羽琉のために、食べられる量だけを皿に盛って準備してくれている。
美味しそうな匂いが鼻孔をくすぐるがフリカッセには手をつけず、バケットを一つだけ食べると羽琉はリビングのソファーに横になった。
思わずため息が漏れる。
そのまま目を瞑っているといつの間にか羽琉は深い眠りに落ちていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます