類友はカルマに従う 番外編2-⑤

 十四時半。

 羽琉は少し疲れていた。

 今日は外出できなかったせいもあるかもしれないが、これは精神的なものだ。一度芽生えてしまった焦燥感はそう簡単に消えてくれない。

 イヤホンを取り、天井を仰ぐと目を瞑り溜息を吐いた。

 エクトルは仕事をしながら独学で日本語をほぼマスターしていた。

 どうやったら半年であそこまで話せるようになるんだろう。

 不思議に思いつつも、自分ができないことに羽琉は凹んだ。

「あ、ご飯……」

 気分が沈んでいたからか、今頃になって昼食を摂っていなかったことに羽琉は気付いた。集中していたからか、空腹も感じない。それに気分的なことでどうにも食べる気にならなかった。

 それでもせっかくサラが作ってくれたのに口をつけないのは申し訳ないと思い、羽琉は取り敢えずリビングへと向かった。

 テーブルの上には、ハムとチーズとサラダを挟んだバケットとチキンフリカッセ。小食な羽琉のために、食べられる量だけを皿に盛って準備してくれている。

 美味しそうな匂いが鼻孔をくすぐるがフリカッセには手をつけず、バケットを一つだけ食べると羽琉はリビングのソファーに横になった。

 思わずため息が漏れる。

 そのまま目を瞑っているといつの間にか羽琉は深い眠りに落ちていった。


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