第一話 日常

 とある高校の2年3組の教室。人の話し声で教室は包まれている。

 

 キーンコーンカーンコーン


 チャイムが鳴ったことで、会話は終了し、それぞれが自分の席に座る。立って友達のところに行かず、座席に座っている女子は、考え事に夢中になっている。


 あ、チャイム鳴った。ホームルームが始まって、待ちに待った夏休みが始まるのね!やったー!何して、遊ぼうかなぁ?あ、先生来た。


「席につけー。はいそこ、席につきなさい。夏休みになるからって浮かれない!夏休みだって、勉強はちゃんとするんだぞー。規則正しい生活をして、危険なところには近づかない。特にだな、あの廃校舎にはズェッッッタイに行くなよ?わかったかー?」


「そんなに行っちゃダメー?ねー、せんせー?」


 誰かが質問をする。


「ダメったら、ダメだ!本当に危険なんだからな!」


「はぁい、わかりましたぁー」


 分かってなさそうな口調で、わかりましたと言っているのが可笑しかった。


「はい、ではさようなら!あ、通知表はもう自宅に届いているはずだぞ。ちゃんと確認して、自分の事を見直しておけよな。それじゃあー、夏休みが終わったらに会いましょう。はい、号令!」


「起立ー、礼」


「さよーならー」


 やっと、ホームルーム終わったよー。先生ったら、話長いんだから!アスカに話したいことがあったけど、なんだったか忘れちゃった。まぁ、いっか。大事なことでもないしね。


 アスカは、身長はちょっと低めだけど、ノリがよくて、一緒にいて楽しい!黒髪をハーフアップにしてパッチリした二重はもう、全女子の憧れ!もう、ほんとーに可愛い!


 ほとんどの人が、荷物を持ってぞろぞろと帰っていく。遊びに行く日を約束していたり、これからカラオケに行くのに盛り上がっているところもある。

 

 よし、私はアスカのところに行こうっと!


「アスカーー!」


 転びそうになったけど、気付いた人はいないでしょ?

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