ミーティング
町長のガンツの所へ行くと、自警団の中でもエリートと言われる者が集まっていた。魔人を狩ったことのある者も数名含まれている。もちろん、単独で勝った者はカース以外いないが。
「集まってもらったのは他でもない、魔人の砦を攻め落とす」ガンツが言い放った。
10人の男女たちがどよめく。
「実際の作戦についてはナギが立案する、まずはナギの話を聞いてくれ」
名指しをされ、自警団とは別の席に座っていたナギ、ワンサウザントマスターが皆の前に立った。
「砦には魔人10匹、亜人10人がいる、その他奴隷や食用としての人が1000人くらいいるはずだ」
「遠征メンバーだが俺の他は、アデラ様、カース、カイ、メイ、ゾック、スーラだ。アデラ様以外には支給品も届いている。今呼ばれなかった者は現地までは行かない、予備戦力になってくれ。もちろん、主力がいない間の町の護衛も頼む」
「皆は分かっていると思うが、確認だ、攻撃魔法は俺が担当する。剣士はカース、カイ、メイ、ゾックはボウガン、スーラは回復役、アデラ様は格闘家であり風魔法も使える」
「作戦だが、俺がまずはメテオを詠唱し隕石落としにより砦を破壊する。その時点で魔人と亜人の半数は倒せるはずだ。その後、向こうが砦から出て来たら俺が範囲魔法を使う。そこでさらに半数減らせると考えている。残りは魔人2~3、亜人2~3だろうから多くて6、皆が食い止めてくれれば、各個仕留める。何か質問は?」
「メテオを落とすとなると、中にいる人にまで被害が及ぶのではないですか?」カースが疑問を口にした。
「砦の中には奴隷が数名のはずだ、そこに被害が出るのは仕方がない。日々食用として殺されている人もいるのだから、彼らを解放しなくてはどんどん被害は増えていく」
「はい」カースは全て納得したわけではなかったが、最初のメテオで半数の敵を叩く有効性を考えると、やむを得ない犠牲というべきか。
剣士のカイはカースの先輩だった。20歳で大剣を使う。10人部隊で魔人を倒した経験もある。
メイは18歳の剣士で双剣使いだった。カースは一度模擬試合をしたことがあるが、相当に強い。
ボウガン使いのゾックは23歳。臆病な性格でいつもおどおどしているようだが、ボウガンを持つと人が変わったように強気になる、腕もいい。
ヒーラーのスーラは17歳、回復魔法が得意で、部隊には必須の存在だ。
遠征メンバーは全員が気持ちを高まらせていた。人類の反抗の一翼を担えるということを。
攻略隊は馬車2両で5日後出発、作戦開始は到着後に詳細な時間を決定するということだった。
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