第7話黒い羊の仮説とニャルラトホテプ


黒い羊の仮説、それは心理学の話であり、両親が極度の善人であった場合、子供が犯罪的になる傾向となる、それは親の世代で抑圧されたシャドウが子供に受け継がれる。


それは祖父世代、曾祖父世代までも同じであり、先祖返りの一つのあり方がこれである。


世代を越えた悪というのはタブーである、犯罪者の子供も犯罪者、それが科学で証明された時、人間の価値観は変わってしまう。


仮にそれがあるとしたら江戸時代の大半の庶民は飢餓からの人食を行っているため日本人の大半が人食いから発生するプリオン病の抗体を所有しているとされる、先祖返りと鬼が結び付く、赤紙徴兵で富裕層、次男坊未満、虚弱体質者以外は人殺しをしている、南京虐殺などの虐殺が忌まれ存在しないとされるのも当たり前だ、隔世遺伝は業深き発想だ。


先祖の業は子供の業、それはこういう所有物の継承からもされる、俗に『裏熊野』とされて、高野山の高僧が仏教の表の王ならばその反対側のこの山には裏の王が存在した。


その山の地下の『魔封館』という場所には『魔導具』が隠されている、typemoonなどでは魔術礼装という、それは江戸時代、ヤハタ密貿易で外国から手に入れた物である、日本各地の大名が討幕のために密かに所有して、時折江戸の闇夜にそれは解放された、明治時代、大正時代もそれは変わらない。


それを全て没収して厳重に封印した。


もう一つはそういうのを使う魔術師や悪魔を封印する、死刑囚は検体をされるか、そもそも死刑後、遺族が葬儀を望まない事もあり、そうした死刑囚のも時折いれる、強い邪念あくいを持った犯罪者は存在が魔導具であった。


その結果、『魔封館』の全てを軍事開発に利用すれば『新魔導具』や『強化人間』を生み出す技術がある、彼等はやみを持ってやみを征するを望んでいた。


生まれ持ってのどくは遺伝していく。


やがて原初の闇と力が同等の存在が現代に現れたのも当然だろう、ただ、受肉するところを間違えたのか聖人体質であり、光を強くもち、その闇を相殺したため一般人になった。


その存在の体内では善悪二元論がそこにはあり、それが体外に出ることはアポートという物質を空間転移する超能力があるが、それを使えるようになるまでは無かった。


彼により『魔風館』の禁が解かれずにその中身が溢れ出してその全てが一つの塊になる、アンリマンユの化身であり、千の術を放つ邪竜アジ・ダハーカがそこに誕生をした。


邪念だけで形成されたファラオのような高貴さをまとった褐色肌の男がいた、その文献は名状しがたき意味不明なホラー小説とされていたがしかしその存在はそのあり方に近い、それをニャルラトホテプと呼ぶ。


「あれだ、ウルトラマンってヤツだ」


「今のお前ならそれも出来るだろう」


「ダイダラボッチをか?」


ダイダラボッチ、その妖怪は大きな邪念の塊とされている、つまり魔神と言うべきだ。


「出来たじゃないか、そっちは任せた」


怪獣VS怪獣の闘いが人知れず起こった。


白衣の男がニャルラトホテプ語りかけた。


「固形物に出来ないのは未熟だね」


不定形で黒い蛸のような触手をした存在にそんな嘲笑を投げ掛けた。


「彼の息子も似たような事がしてたね、あれも憤怒のままに暴れ狂う全ての鮫の父ク・リトル・リトルだ」


「超弾性という言葉を知っているか?」


「あぁ、その性質を応用したのが形状記憶合金だね、それだから暗黒物質ダークマターだろ?」


「つまり………魔神変型デビル・トランス


「なんだ出来るじゃないか」


禍々しく刺々しく黒い機械人間ロボット


「これは強化外骨格でもあるが貴様を相手するにはこの姿で充分なのだ!」


刺が伸びていった、その刺があちら側も伸びた茨の刺で先端と先端がぶつかり合う、その威力はなんと植物の方に分があった。


「前言撤回、不十分だ」


「なっ………ガァッ!?」


茨の刺はニャルラトホテプの体を貫く、その後、ニャルラトホテプの体は弾けた。


「………遠隔操作リモートコントロール


彼はそう状況を判断した。


ダイダラボッチがアジ・ダハーカの三つ首をもいでいき、それによりアジ・ダハーカは悲鳴をあげ、そのまま立ち去っていった、ダイダラボッチは術者の使役範囲が限定されたため逃がしてしまう。


「ちっ、ここから狼王笏ウルフセプターを放っても千の術のうちの三百五十に阻まれるな」


「終末に関する存在は終末に関する存在にしか対処できない、無理もないことだよ」


「そうか、今は撤退するか」


「『魔封館』より『箱』を見に行くか?」


「今は予言も情報もいらないだろ」


「じゃあ、非才はここで去るよ」


「不才は『女吸血鬼帝アザミ』に会いにいくか」


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