第4話 ダブルベッドの端
9/1 火曜 曇り
出勤→残業× パンツ→赤 におい→汗
後輩からのメールがあった。
久しぶりに肺へと吸い込んだタバコはノドに絡みつき、嗚咽が走りました。
美味しい訳でもないタバコを数年前は毎日吸っていたのかと思うと馬鹿らしくなります。
今の私の感情を抑えるには臭いタバコを吸い込み、涙を浮かべるぐらいが丁度良かったです。
夫はお風呂から上がり、いそいそとケータイを片手になにか文字を打っていました。
普段は一目散に釣りの動画を見ながらドライアーをあてる人が仕事をしているようには思えません。
私は夫に悟られないよう。明日は残業なのかと聞きました。
返ってくる言葉は「んー、早く帰りたいかな」
...どっちなんだよ。
晩ご飯は要るのかと聞きました。
「よろしくお願いします。」
要は晩ご飯は有りの小残業スケジュールです。
苛立ちながらもそれを抑え、悟られぬよう笑顔を浮かべ、いつもの様に。
わたしは苛立ち、疑い、飛び出そうな心臓を抑えながら夫と会話しました。
私が今わかっているのは、明日は仕事で現在のパンツは黒色。少し残業はあるが晩ご飯は要る。
そして、後輩に明日よろしくする。
...もうどうでも良くなってきました。
私も浮気してバランスを取ってしまおうか。
でも、見切り発車で行動して夫を裏切っても良いのか。家族は?友達には、なんと説明するのか。
辛く苦しい時間は続きます。
いっその事夫に確認してしまえば早いのですが、
いざその場に立つと怖くて聞けません。
昔は浮気なんて許さない。紛らわしい行動が有れば即聞き、対処した方が良い。
位に思ってました。しかし、いざ妻という立場になると怖くなりました。
不安を抱きながら今日もまたダブルベッドの端で眠りにつこうと思います。
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