第3話 空白の人生
私は人生を舐めていた。社会を知らなすぎた。他人を批判する事しかできなかった。
今の自分に甘んじて、妥協して、諦めて、何も変えようとしなかった。
誰かが云った。過去があるから
そして、俺は言い返した。諦めが肝心だと。だがそのセリフは限界まで足掻き続けたものだけが発することを許されるものだ。
人間は変化を受け入れて、適応しなければ生きていけないと知っていたはずなのに。
いつの世もサバイバルに勝つのは、力が強いものでも、頭のいいものでもない。環境に対応するものだ。
それに気づいたときには遅い。半端な努力では焼け石に水だった。
もう今更振りかえっても嘆いて慟哭する気力も体力も残っていない。
高校を卒業したが、就職に失敗した。ただそれだけのこと。
絶望した瞳にはそう割り切ることも苦痛でしかなかった。
今は
群れに捨てられた獣が取る行動は二通り。
生きていくために死ぬ宿命に抗うか、死を受け入れ荒野にのたれ死ぬかだ。
多くの人間たちは生と死を分離きて考えるが、私は死という事象は生きることの延長線上にあり、死は生の一部であると思う。
今日もまたそんなつまらない、下らないことを真剣に考えている。
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