昔見たあるアニメの、あるエピソード (エッセイ・ノンフィクション)

 今回は子供の頃に見た、あるアニメのあるエピソードの事について書きます。

 最近になって、たまたまその話の事を思い出して。当時は特になんとも思わなかったのですが、今思えばとても素敵なお話だったので、少しでも多くの人に知ってもらいたくて、ここに書きます。


 あらすじをざっくり言うと、こんな感じです。





 時は昭和。ある町に、定時制の学校に通う女子生徒がいました。当時は今以上に、家庭の事情で昼間ではなく、夜に学校に通う生徒が多い時代だったのです。


 昼間は働いて、夜は学校で勉強する毎日。だけどそんなある日、夜になって学校に行くと、机の中に手紙が入っていました。

 読んでみると差出人は、昼間の学校に通っている、彼女と同じ机を使っているという男子生徒。たまたま同じ机になったのも何かの縁、これから手紙でお話をしてみませんかという、文通のお誘いでした。


 名前も顔も知らない、男子との文通。そこには不思議なドキドキがあって、彼女は誘いに応じました。

 毎日せっせと手紙を書いて、彼からの返事にワクワクして。いつしか手紙の彼に、淡い恋心を抱くようになります。


 ですが彼には、秘密がありました。

 実は彼女と同じ机を使っていると言うのは嘘で。その正体は、毎日学校に夕刊を届けに来ていた、新聞配達のアルバイトをしている青年でした。

 学校で見かけた彼女に恋をして。だけど内気で声をかけることができなかった彼は正体を偽って、彼女に手紙を出していたのでした。


 照れ屋な青年の、不器用な恋。けど彼は文通を楽しむと同時に、彼女を騙していることに罪悪感を抱いていました。


 そしてある理由から(この辺は書くと長くなるので省略します)文通は続けられなくなり、二人は疎遠になります。

 しかしそれから時が経って、大人になった二人は、ふとしたきっかけで再会しました。


 数十年の時を経て、自分があの時の手紙の送り主だと言うことを明かす彼。この時彼女はすでに結婚していて子供もいましたが、当時の事を思い出して感激しました。

 実らなかった、遠い昔の恋。だけど思い出は美しく、二人はあの頃を懐かしく思うのでした。





 昭和のレトロな雰囲気が漂う、甘酸っぱい恋のお話です。こんな感じの恋物語は、今でも通用するのではないでしょうか。

 できる事なら、プロットを丸パクリして書きたいくらいですよ(コラっ!)。



 ちなみに。

 このエピソードはあまり知られていないかもしれませんけど、このアニメ自体はかなり有名なので、皆さん知っているかもしれません。


 アニメのタイトルは、『キテレツ大百科』。

 新聞配達員の彼はその回のゲストキャラでしたけど、定時制の学校に通っていた彼女は、準レギュラーの熊田小百合。

『ブタゴリラのかあちゃん』と言った方が、分かるかもしれません。


 どうです? 女子生徒のイメージと、一致していましたか?

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