不登校とお母さん (現代ドラマ)
いじめにあって、不登校になった私。そんな私を学校に来るように言う先生からの電話に、お母さんが対応している。
『クラスの皆も、サキさんが来るのを待っていますよ』
「皆って、いじめてた子達のことですよね。いじめる相手がいないから、来てほしいってことですか?」
『そう言うわけじゃ……。来ないと、勉強も遅れてしまいます』
「ご心配なく。勉強は家で、しっかりやってますから」
『社会に出たら、苦しい事はあるのですから。今のうちにちゃんと、我慢することを覚えておかないとですね……』
「そうですね。社会に出たら苦しい事はあるよですから、今のうちにちゃんと、逃げ方も教えておかないと。我慢してばかりだと、壊れてしまいますから」
こんな感じで、先生の言うことをかわしていくお母さん。そしてついに根をあげた先生が電話を切って、ようやく決着。
電話を終えたお母さんは、不安な気持ちで一部始終を眺めていた私を見て、そっと頭を撫でてきた。
「嫌なのを我慢して登校する方が、偉いって思っているのかしら? 逃げる事も、立ち向かうのと同じくらい、勇気がいるのにね」
……少し気持ちが楽になった。
どっちが偉いという話じゃない。私は自分を守るために、不登校を選んだだけ。恥じることなんて何も無い。
私を怒らずに、肯定してくれたお母さん。ありがとう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます