第332話 後後207 ゴルダ再び 3日目


翌日。

朝は少し寝坊した。昨晩は泉とジジは遅くまで飲んでいた。

それまでの疲れが溜まっていたのか、夜半にはこくりこくりと居眠り始めた泉を久しぶりに小脇に抱えて宿に戻った。


シューレは飲みの最初のみ参加して、早めに戻っていた。

なんか、ジジにいろいろ聞いたことを早く試してみたい様子だった。

感覚が重要視される作りかたなので、特におもしろそうなのだろう。そう見えた。


昨晩は久しぶりに旅の感覚に成れた。

やっぱりいい。旅はいいなぁ、、今度はアニャータも一緒に3人で旅してみたいかなぁ、、と思うガク。


アニャータと2人で、とならないのが、ガクと泉のつながりの深さというか、名コンビ?の絆の強さなのだろうか。

まぁ、アニャータも泉が好きだし、2人ともガクよりもよほど強いので頼もしいし?


見た目幼女?と、品の良い娘さんもしくはモフ美人猫人。それと人間の男がいて、その中で男がダントツ弱い、、ってどーよ?

泣けるよね?ここで笑ったらいかんよ?


懐かしい農国の朝飯を食べ、街に出る。

当然市場。

朝だから屋台も串焼きなど重いものはあまりなく、揚げパンや粥などが多い。


朝飯食べたばかりなのに、「飲んだ翌朝はよく食べるのがいいのだ!」とかいいながら食べ歩く泉さん。

身体が成長しないのに、人一倍取ってる栄養分はどこに行くんだろう?

牛乳飲ませるのがいいかな?

とか不思議に思うガク。


市場を出て裏に回る。裏通りに良いケーキ屋が多いのだ。

「あ、泉さん、パスタが美味かったケーキ屋ですよあれ」

「お!いこうぜ!!」

たたたたたた!、がちゃ、からんからんからん、、


「でも、まずケーキだっ!!」

ガラスケースにへばりつく泉。

こういうのも毎度のことだったなぁ、、と思い出すガク。


ケーキを幾つかたので席に着く。

ガクはケーキの後にパスタも食べようと、ケーキは一つのみにした。

泉はいくらでもはいるのでケーキ3つ頼んだ。これも毎度のことだったな、と思い出すガク。

「うん、何もかも、懐かしい・・・」ガク


「ああ!このケーキの味こそ懐かしい!!」

泉さんそれすきだったもんなー、、、


泉はいちごのショートケーキが最も好きそうだ。

泉のケーキ評はうまいかうまくないかだけだ。他店と比較しない。

同じいちごショートでも店によってガラリと変わる。どっちもそれなりに美味かったりする。なので「両方食べる」が、泉流なのだ。


「あの、、以前も来ましたよね?」

と給仕の女の子。

「ええ、この街に滞在している時に何度か。」ガク

「この子覚えています。すっごいケーキ好きですよね!!」


農国では酒飲みよりケーキ好きが認められる。まともなので酒に酩酊するほどの飲み方をする者は居ないが、それでも酔う酒よりも誰もがいつでも楽しめるケーキ好きが好まれる。悪人はケーキは好きではない、みたい言葉もあるほど。

だから前回、泉はそのケーキバカ食いで名を上げたのだなぁ、、。


「帰ってきたんだ、あのケーキ好きの子、」

「バカ食い幼女再度!」

「今回はどれだけ食べていくのだろうか?」

「どっかの店、記念ケーキ出せばいいのに、、」

「いいなそれ、うまそうだな!」

いや、まだ何も決まってないだろー、、けど美味いに決まっているだろうけど、この街なら。

多分、明日にはもう街中に広まっているだろな、、

などとガクは思うが心配事では無い。逆に良い方だ。


結局、その後パスタをやはり泉に奪われ、3度注文するガクだった。


店を出たのは昼もかなり回ったあとで、

出てから、

「そろそろお茶の時間か、、」泉

こいつ、、、


最高峰のシューレのケーキを毎日食べていたのにこれだ。

農国のケーキもそれなりに美味いのだ。大半は。


前回はこの街では妖精を発見しなかった。

多分これほどならば居ないわけではなかろう。単に会っていないだけで。


会ってみたい気持ちと、めんどくせー気持ちがせめぎ合うガク。

が、そう思うと、もうフラグなんだよな、流れ的には。


だがしかし!!


「あ、、杉玉、、前回あんなのあったっけ?」

と造り酒屋に入っていく泉。

追いかけるガク。

まず、どぶろくからかな、、と思うガクも、もう泉達と同じくらいになってるのかも知れない。


(酒粕で、なんか和菓子っぽいもの作れないかなぁ、、)ガク

うん、ガクの方向性は変わっていないな、初期からw

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