第331話 後後206 カレー大魔王


数日アニャータは取れられしまった。

結婚式の主役は花嫁だ。と領主様。

ガクは一瞬採寸されただけで開放された。

「数日はお前たちは必要ない。遊んでていいぞ」

領主様よりフリーを出され、、、


なにかきなこ臭い、、

・・・・

まぁ、、大丈夫だろう。きっと。


泉さんが騎士団にいるバルムに「王様達になにやってんの?」って訊いても、なんか超秘密らしい、王宮内にも知る者は少ないそうだ。とか言われたと。とてもきなこもち臭い。


「ま、いいだろそんなこた。酒持ってゴルダ行こうぜゴルダ!」

泉さん、酒を手に入れたんでゴルダのジジを喜ばせたいんだろう。




ぱっかぽっことはいわず、ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ


王都スタリッツァから伸びる街道は次の町まで石畳なので馬車の車輪がうるさいのだ。

「まだ車輪に皮巻いていないだなぁ、、」

「魔獣が少ないんじゃないか?」

なるほど、、


騒音に成れた頃、夕方にゴルダ到着。

御者さんにおすすめ宿を訊いたら、「ああ・・俺欄トコが一番かな?」と、以前(後−3話)と同じところを紹介してくれた。

場所的にも面白かったし。



「ちわー、部屋ありますかー」

と入っていくと、

「あれ?以前来た?」

と宿の主人。


「・・・・・あっ!!ケーキ好きだっつ!!あと、人狼部隊の教官を下僕並に扱っていたなっつ!!」

へんなこと覚えているなー、というか、変なことだから覚えていたんだろうなぁ、、


「泉さん、ゆーめー人になってますよ?」

「あっはっはっは!そうだろうともさっつ!!」

気にしない泉がデフォ?


ジジさんとこにはひるまに、汚れ避けした鹿肉を買って行くから明日だ。

荷物を部屋に置いて銭湯に行く。



馬車に乗った埃を落とし、さっぱりして外の縁台に座って待っていると、また泉さんは髪を結われて出てきた。おばさん3人付き。

楽しんでたおばさん達に礼を言い、

「風呂上がりはエールがいいんだ!とっとと帰ろう!」泉さん


宿に戻ってエール飲んで飯を食べ、さっさと寝た。

数日ぶりにぐっすり眠れそうである。アニャータの家は居心地が良くなく、将軍様の離宮も慌ただしかったので。


「やっぱ旅の宿っていいっすねー」

と話しかけたら、泉さん、もういびきかいていた。


翌朝一階食堂

「アニャータの実家より美味いな」

「ええ、確実に」

アニャータの実家、質素な素材とかではなかった。倹約のために美味しくなかったとかではないんだろう。


「でも、アニャータは美味しい味を判ってるようですよね?」

「あー、まー、、でもねこまんまのほうが美味いとか感じてるかどうか?まではわからんだろ?」

・・・・そーだけど、、、、ごむたい君かよ


そう言えば公爵どうしてるんだろ?いやいや、話題にしてはいけない、、、


「さっさと食って市場に行くぞ。」泉さん


ーー


市場でうまそうな鹿のももまるまる1本、炙り焼きにしてもらう。出来上がりが茶の時間頃だな、と言われたので先にジジの家に行く。


「たのもーう!!」泉さん

やっぱ扉は全開だ。在宅中だと言いたくって全開なのかなー。


「おー」

返事があったので待つ

あれ?来ないね?

「ジジいるかー?」

「いるぞー」

待つ

・・・・


あれ?って顔でジジが顔を出す

「あ、お前らか、、久しぶりだな。いや、近所の連中だと声かけてから勝手に入ってくるんだ、、だからおかしいなぁ、と思ってな」

・・・・うん、そりゃ知って無きゃわからん、、


酒を渡すと喜んでいた。

で、鹿肉があとで出来上がるんで時間になったら取ってくるというと、

「んじゃ、鹿肉に合うようなのを作るか、、」

「「やったっつ!!」」


夕方には鹿肉を入れて煮込まれたジジのカレーが出来上がった。

久々に食べるジジのカレーはとても美味かった。


「こんな美味かったっけ?」

「ああ、シューレに食べさせてみたいなぁ、、」

ジジはそれを訊いてシワだらけの顔を満足そうに更にシワを増やしていた。


シュン!!

「おう!呼んだな?」シューレ


「呼ぶまでは行っていないが、、、ジジ、これ、大妖精様、、シューレ、この方、カレー大王様」

・・・・

自分をこれ呼ばわりし、このじいさんが大王様?まぁ、、泉の言うことだし、、どーでもいいか、、(シューレ)


「ジジ、大妖精様にジジの大切なめったにひとに食べさせないカレーを食べさせてやってもらえまいか?」泉さん


なんだかわからんが、だしてやればいいんだな?とだけ思うジジ。よそってシューレの席をつくってやった。


かちゃ、、ズズ、、ぱく、、、、・・・・・・・

ぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱく・・・

あれ?無いじゃん?


「食えばなくなるよな?」泉さん

・・・・・・・・・・・・・・不満顔シューレ


ジジはお代わりをよそってあげる。

ぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱくぱく大盛りであった。


シューレがお代わりを食べている間にチャーを作ってくれるジジ。

食べ終えた頃にチャーが配られる。


ずずず、、うっ!!、「こ、、これは、、」、ずずずず‥ずずずず‥、ずずずず‥、

まぁ、熱あつだから音出してもしかたないね!


シューレの前にある器は皆きれいに一滴も残っていない。ちなみに舐め取ってはいない。


「ごちそう出会った大王様、流石大王様を名乗るだけあって、私もここまでうまいカレーには出会ったことが無かった。勉強になった。ありがとう。」

すげー、、、大妖精が本当に認めたよ、、、ジジすげー、、、と泉さんと言い合っていると、


「ありがとよ。そこまで美味いのか、、、嬉しいねぇ、、気にしないで作っていたが、、そうか、、美味いのか、、、」

いや、自分のカレー美味いってわかってなかったの??


「流石食の農国、まだまだ人材はいるんだなぁ、、」とシューレ


やっぱ羨ましいな農国と、ガクと泉は思った。

仕方がないじゃん?人生の半分は食べる楽しみが占めているんだぜ?

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