第286話 後後161 モグラの働き!


一方、

モグラの、ごむたい君が貸与された開拓村。

村長であるリーダーが、ごむたいを案内してる。

ちいさい集落なのですぐ居住区域が終わった。


要は、村長宅で食事をする、食事は皆が仕事を終えた頃に始まる。

ということだけが、ごむたいに必要な情報だった。

モグラだからね、すごい食べるからね、足りないと死んじゃうからね!


で、畑。

「ここいらはもう耕しているから俺達でできるから、おまえはあっちの、草ぼうぼうの土地の表面近くに潜ってあそこらをぼこぼこにしてもらえるか?できるか?」

と、村長はまだ手の付けていない方を指し示す。


「大丈夫です。木が生えているとこは周囲だけになります。モグラなので木は抜けません。」

「お、おう、、そこは大丈夫だ、俺らでやるから。で、どんな感じでやるの?少し見せてくれる?」

と、

その場所に行き、ごむたいに潜ってみてもらう。


ずざざざざざあーーー、もぐもぐ潜もぐもぐもぐ潜もぐもぐもぐ・・・


何がすげーかって、音がなんかそれっぽくってすげーなー、とかおかしな方向に感動の村長

ベテラン農民でも知らないこともあるんだなぁ、、俺もまだまだだな、、と自省する。


ぼこぼこそこらじゅうが盛り上がる。大人の背丈に近いほどある草がどんどん倒れていく。

「すげーな、、こりゃ便利だ♪」

少し経って


「おーい、ごむたーい!もういいぞー!!」

・・・・・

「おーい!もぐらー!!かえってこーい!」

・・・・

おうらあああ!!ドンドン!と地面を蹴る。


ほどなく近くがぼこぼこ!ともりあがり、

がぼっ!

「ただいまー!」

・・・

「なぁ、おまえを呼ぶ時って、声聞こえないだろ?どーすんの?」

「え?今呼んだじゃないですか、地面をドンドンってやれば聞こえますよ?」

そーなの?


「・・・わかった、うん、、そーする」

「んじゃ、できればまんべんなくお願いします。で、ごむたいが自分で計画して、どんどん開拓お願いします。

俺ら、ごむたいが掘り起こした所を開拓していくから。」

「わかりました。ボクはみなさんが楽に開拓できるように、土の硬いとこをろぼこぼこにして、草も抜きすいようにすればいんですね。」


「あと、岩とか木の周囲の土もぼこぼこにしといてもらえると助かる。」

「わかりましたやります。任せてくダサい!」

「頼りにしてるからな!!」

「任されました!」



村長はそのまま自分の畑に行って作業を始めた。昼は畑のわきで干し肉食って水飲んで少し休むだけ。アル意味兵士より過酷だ、開拓民は。


夕方、村長は自分の畑の作業を終え、未開地に行く。

と、

東京ドーム1こ分(当社比)、ちなみに現地全人民は東京ドームって知らない。その広さを「東京ドーム」という単位を使っている。流布元は博子と大田。大きさの数値は示されておらず、大体、である。


そこがぼっこぼっこになって、草がすべて倒れていた。生えている木も傾いていた。抜くのも楽そうだ。牛でいっきに行けそうなくらいにまで!

「すげぇ、、、すげぇぜモグラっつ!!!!」

リーダー、大感動!


「おーーい、みんなーーー、来てみろーーー!!!」

と、でっけー声で、皆を呼ぶ。音を遮るモノ無いので届く。


ほどなく皆が集まってきた。

・・・・・・・・

声もない。


「・・・・何?コレ、、、」

ようやく一人が訊く

「おう!モグラよ!でっけーモグラが一人で耕してくれたのよっ!!すげーだろ?!!泉さんが連れてきてくれたんだぜ!」

得意げなリーダー


皆それを聞いて納得


あー、泉さんかー、

それならなー

うん、あの人なら、わかる、、

モグラくらい配下にするよな

ああ、いろいろいるんじゃね?

だろうなぁ、、

狼軍団とか魔獣軍団とか持ってるらしいぜ?

ああ、似合うよな、

うんうん(全員)


勝手になんかすげー方向にされている泉


ようやく思い出し、ドンドン!と地面を思い切り蹴るリーダー。

「これが、ごむたいを呼ぶ呼び方だ」

ごむたい?

「ああ、ヤツの名だ」

・・・・

まぁ、、名前なら、、

うん、しかたないよな


遠くから、ぼこぼこぼこぼこぼこぼこ!とものすごい速さで盛り上がる土が近づいてくる、

「うっわーーー!!!」

逃げる村民

だが!

リーダー、逃げるわけには行かない!

ガクつく、逃げようとする足を必死に押さえ込み、、、待つ!

ぼこっ!!

「ただいまー!!」

・・・

「・・おう、、ご苦労様、、、大変だったか?」

「楽しかったー!!!」

・・・・・

遠くに離れていた皆が近寄って来る


「ごくろうさん」と、皆が声をかける。

嬉しそうなごむたい。


「んじゃ、帰ってメシにするか、、今日は、ごむたいの来た日だ、宴会するか」

「おー!!」×皆


ごむたいはよくわからなかった。

今までここまで良くしてもらったことなど無いから。

ひととまともに接触したのは、ガクとがはじめてだった。

なので邪険にされたことしかない。



村長宅前に、荷車ほどのオケがおかれ、そこに残飯が山盛り入っていた。

これが、、泉さんが言っていた、モグラのメシ?

と、ごむたいを見ると、よだれ流している。

「お、おう、、先にくってていいぞ、」

おす、と小さく言うと、ごむたいはその山に突進していった。

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