第283話 後後158 日常の面倒事、、
領主様は渋った。
正確には、
泉とガクが、将軍様にそれらしくする、といことを渋った。
つまり、
お后様から真っ向勝負?
「いや、なぜ勝負になるのか、が、わからんが?」領主様
「なぜでしょうね?」ガク
「いや、おまえにきいているのだが、、まぁいい、、おまえもわからんのだろう?博子みたいだな、、外来って、大田もそうだが、みなこんななんだよなぁ、、」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まじっすか、、おなじっすか?え?俺が?博子と?大田さんと?同じなの?え?
ガク、大ショック。
外来って、大概「自分は違う」とか思っている。自分だけはまとも、だとか思っている。思い込みってすごいよね!
白く燃え尽きたガクを放置し、領主は泉に言った。
「お前たちが彼(将軍)と普通に話したりアホやったりして、彼は変わった。もちろん一見だけでは良くない方に行ってるとか思えるかもしれんが、彼個人にとっては、とても良い方に行っている。儂は、彼の友人だからな、王としての彼にも立場として尽くすが、それ以上に彼の友人として、彼の人生の助けになりたいと思ってずっと友人をやってきた。」
「まぁ、、そこらへんは、外から見てても結構わかるな」泉
「威厳なんてものは、尊敬に比べりゃ大したこと無い。何かあったら消し飛ぶ。一度戦争に負けたくらいで消し飛ぶぞ?。
だが、尊敬は違う。戦争に負けようが、彼が平民におとされようが、彼をほんとに尊敬している者はさほど変わらんだろう。
ほら、あいつすっげー嫌いだけど尊敬だけはできるな、ってのがあだろう?ホンモノの尊敬ってのはそういうもんだ。スキだから尊敬するとか嫌いだからしないとか、そういうのは、モノを見る目が全く無い者のやることなので、そいつらは尊敬ってのを理解できない者だ、勘違いして尊敬していると思い込むだけだ。そういう”尊敬”は嘘で、自分にさえ嘘をついている者だ。残念なことに我が国には少しいるけどな」
「おう、そういうの、元の世界に多かったな」
「多すぎりゃ、それこそ処分せにゃ国が滅ぶんだがな、、
幸い、今の我が国にはいることはいるがそう多くはなく、そういうのはまともな人びとはまともに相手しない。
だから、将軍が以前に比べて親しみやすいようになったくらいで掌返すやつは居ない。いたら、とうからず居なくなるだろう。ひどけりゃ市井の誰かがどうにかしてくれるだろうからな。
なので、特に心配することも無いはずなのだ。
そのくらい、后様も判っているはずなのだがなぁ?
まぁ、儂が行って談判してくるから、その結果を待て。それからでも遅くはない。」
と、領主様が言ったので、泉は納得し、灰になったガクを回収して村に帰った。
最近は行き来に駅馬車を利用している。大型高速馬車とかになってて、結構快適で面白いのだ。
車体の後尾に「小館熊製作所」と銘板が貼ってあった。
一人だと暴走しやすいガクが灰になったおかげで、落ち着いて話せたおかげで、うまく行く気配を感じた泉。
領主が言っていた「外来ってみなこうなのか?」の意味が少しわかったような気がする。
外来っても俺も外来なんで、”ガクの時代の外来がろくでもない”ってくくりにしてくれなきゃ、一緒くたにされちまうな、、今度は訂正を入れよう、と決めた泉。
(でもな、おまえらの時代も思い込みで突っ込んで勝手な事ばかりやらかし、それをうまーく利用されていた、ってのばかりだったじゃないか。明治維新なんかそれのみ、って言っていいくらいだ。
領主もそんな臭いを感じたんじゃないかな?ホンモンだからなぁ、、戦闘狂の。)
小館に帰り付いたときにはガクはどうにか元に戻っていた様に見えた
なので、食事といっぱいやりに、シューレ食堂ではなく、居酒屋に行った。ちなみにここは夜しかやってない。
畑などのついでにやってるので、肴には漬物とかが多かったりする。なので獣人より人間のおっさんや中身おっさんが多い。
奥の席に華子が座っていた。その前にはおばはん。
華子がここに居るのはなぜだろう?と思ったが、近寄らないほうがいいので遠くの席、店の外にある席に座った泉とガク。
もう夜でもさほど寒くないかな、程度なのでダイジョブ!
(いやだなー、、博子が中身おっさんどころかわけわかんねーんで、姫も汚染されておっさんくらいにゃなってるかもなぁ、)
と危惧したガク
ちなみに将軍様は見えない。無難にシューレの店に行ってるのだろう。伊達に戦闘狂の頭を張ってないんだなぁ、、勘は流石だ、とか思っちゃったガク。
村は狭いのだよ。
飲むとこ二軒しかないからね!
姫の付き添いとか見えない。置いてきたのかな?もしくはそれらから逃げてきたのかな?
姫には給仕のおばはんが付いて、話し相手になっている。いろいろナイスだ!
他国の人狼部隊の連中は?
酒だけ買って、自分らで獲物狩って、肉で酒飲んでる。どこでもいいのだ、酒が飲め、肉が食えれば。
食事はシューレの店に行くけどね、たまに。一日1−2度のたまにw
泉とガクは、野菜と肴のかき揚げ、漬物、などで飲み始めた。
「・・・なんか、黙ってても、何してなくとも、勝手に面倒がやってくるなぁ、、」泉さんがぽつんと言う
「・・・折角日常をふつーに堪能しているんですけどねぇ、、」
いまだ日のいずる国の離宮の客は絶えず、ドラゴン人達が入れ替えるようにやって来ては、騒いでいく。
ウワバミだからな。
もちろんそれはシューレの店なので、こっちはわりかし静か。
「まぁ、でも、こー、のんびりゆっくり酒飲めるんだから、今はまだマシっすかね?」
「ああ、まぁそうだな、、。・・・・農国を旅してたときが懐かしいなぁ、、、」
「今思えば、最高でしたねぇ、、、」
「・・ああ、、、」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます