第278話 後後153 暇な時にモグ


その日は、朝食後、

熊の現場を見に行こうかと思ったが、邪魔になるな、と思い直した。


なんか、今日はなんかこう、、、、モフ以外のことをしたいかな、みたいな、、


なんかないかなー、と村を歩いていると、

ぼこぼこぼこぼこ、と目の前の土が盛り上がる

ゲシゲシゲシゲシゲシゲシッツ!!盛り上がりを踏み潰すっ!

ぼこっつ、

「ひどいじゃないですかっ!!いたいけなもぐらをっ!!」


「がいじゅうモグラー」

「・・・・・かわいいっす、、」

「・・泥、はらえよ、、」

あ!!、(ガク)


来い、と、そのごむたい君を地上歩行させて熊の工房に連れていく。だれかいるだろう、、


「ちーっす!」

「あ、ガクさんこんちわ」

丁稚君が出てきた。

彼でも作れるだろうと思い、モグラの土を払う大きめのブラシというか箒みたいなのを作ってくれない?とお願いしてみる。


「すぐできますよ!待っててくださいね」

と、丁稚君は奥に引っ込んで、ねこ獣人の娘が茶を運んで来てくれた。


「ありがとう」といってもぐと2人ですするが、、

「君達はトリミングに来ないんだね?」と聞いてみる。来たことがないのだ。

「え?いんですか?なんか狼獣人専用とか思ってましたが、、」

「は?!!俺のトリミングは全ての毛並み平等だぞ?!!」


「んじゃ、ボクだっていんですよね?」モグ

「ってめーは泥だらけだろーがっつ!!毎日毎日泥に潜りっぱなしだろうがっつ!どこにトリミングの必要性があるんだよっつ!!!」

で、猫に向かい、

「こーゆー、トリミングの必要性の無い、泥とか水とかに潜って暮らしている者達以外なら、トリミング必要でしょ?それなら俺んとこに来ればやってやるから。」


ぱあーっと笑顔になったネコ娘。

「それじゃ、今度皆とうかがいますからっつ!!」

「おう、来なさい」


「できましたー!」

丁稚君、卓上箒と洗車ブラシの併せ技みたいのを持ってきた。なかなか良さそうに見える。

どれどれ?と、少しモグの泥を、、

さっさっさ、

「いいねぇ、、」

さっさっさっさっさっさっさっさっさ

「いいねぇ!」

さっさっさっさっさっさっさっさっささっさっさっさっさっさっさっさっさ

「ますますいいねええ!」癖になるな、、

さっさっさっさっさっさっさっさっささっさっさっさっさっさっさっさっささっさっさっさっさっさっさっさっささっさっさっさっさっさっさっさっさ


なんか視線感じたんで、、あ、、皆凝視してる、、

「おっほん、、これ、具合すげーいいな!ありがとう丁稚君!すばらしい一品だよっ!!」

涙ぐみながらわなないている丁稚君。

なんか言おうとしてるみたいだが、言葉が出ないようで、俺の両手を握ってブンブン振ってくる、、


「うんうん、いい仕事してくれたな!ありがとう!!」俺

もっとぶんぶんフリはじめる、いててて、

いってーよっつ!!!と、振りほどく。


「んじゃ、貰ってくね!どうもありがとう!!」

と工房を跡にする。


外で

「ほれ、この名作をお前にやるから大事にしろよ!。で、土から出たら、まずこれで体の泥をきれいにおとせ。そしたら地上の者達も少しは近づいてくれるだろうから。」

「ああ!皆がボクを避けていたのは、土で汚れていたからですね!」

まぁ、それだけじゃないけどな、、、


モグラなんか普通見たこと無い。見る機会が無い。でっけー手、でっけいー爪、怖いって思うよね?

箒の柄の端に紐を結んで、、、、、このデブにどーすっかな、、まぁいいか、と太めの紐をモグの腰、、腰無いけど寸胴過ぎて、、腰に結びつけ、、、落ちないかな?キツめに結んで、、でも不安なんで袈裟懸けに紐を結び、、、モグラ兵みたいになったw

で、腰紐に箒の紐を結びつけ、


「これで潜っててもなくさないだろ。」

「ありがとーございますー。これでボクも地上の仲間入りですね!」

それは保証できないけどな


んじゃ取ってみろ、で、体をきれいにしてみろ、

とやらせてみた。

でっかい手なので無理かな?と思ったが、5本の指が器用に動き、すんなりできた。


お腹すいたというので食堂に連れて行く。

モグラだから一日ほとんど食べ続けなのだ。


「違いますよ、餌がちっさいからそう思われるだけで、食堂で食べれればそれほどでもないですよ!」

「おまえ、毎回夕方来て、閉店まで何時間食べてる?」

「・・・・・・・だって、もぐらだから、、、」


今日はまだ昼前。

こいつは、今日も閉店までいるのだろうか?

既に野生を放棄しつつあるなぁ、、と、そのモグラから感じるガクであったw


がらがらがらっ!

「モグラ来たから餌やってー」

「しどい!」

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