第263話 後後138 華子の叔父


もったいぶらない!さくさく進行!!


さて、

領主邸の前庭で、領主である華子の叔父と、博子は対峙していた。

博子は背に大剣を背負い、手には長剣を両手で構えている。


華子によると、叔父さんはじーさんよりはできるらしい。

が、よりは、、の差の大きさが小さい場合には博子には察知できない。大雑把だから!

なので、

(あれー?かわんねぇなぁ?いいのかなーやっちゃってー)とか思ってる。


チラリと華子の方を見ると、サムズアップ!する華子!

んじゃ遠慮なく、、

まず両手で刀のように握った長剣で軽ーく、打ち合って、、、速度を上げ、、、も少し?、も一段?

領主はじりじり後退している。額から汗がどくどくw


さっと、というか、ぴょーーーん!とえらく飛び退り、当然追えない領主。でもいいや一息つけた、、と。

さて、あったまったかなー、とひとりごちる博子、、

領主の汗は冷や汗に変わった!!

(まじっすか、、)


博子は長剣を左手に持つ。右手を背負った大剣にのばそうと

やばい!領主はそう感じたときにはもう走って博子に迫っていた!

博子は、まーいーやと、左手の長剣のみで対応、右手が空いているので暇つぶしにはなをほじる。

すげー絵面である。

その間もカンカンカンカン剣が打ち合っている、、。


いや、右手空けているなら大剣取れよ、、、

それに気づかない博子。アホウ?


「博子!!右手空けてるんなら大剣取れっつ!!」華子

はっつ!!!そうか!!(博子)

いちいち華子にサムズアップして礼を言う博子!

いーからはやくっつ!と華子は地団駄ダンスを躍リ始める!


修羅輪!!と音をたてて大剣は引き抜かれる、その間も左手は領主の剣とカンカンカンカン打ち合っている。

領主、もうどうしていいのか、、腕、あがらなくなってきたし、、


大剣を右手で構えた直後、かっきーーん!!

左手の長剣が、領主の剣を弾き飛ばしてしまった、、、、

はぁ、、やっと終われた、、、本心から思う領主、、声に出さないけど、、

「まいりました、、」領主

「こちらこそ!私にこの大剣を抜かせるなんて!」博子

あっちゃー、、って顔の華子

乾いた笑いしかでない領主


つっぷして泣いているじじばば。

天然なので何も言えない、、そのくらいはじじばばもわかっている。


ーー


領主邸

洋風茶の間

「まぁ、、王の長子の護衛だから、、このくらいじゃないといけないでしょう?」華子

精一杯のフォロー。でも、ごもっともな言い分でもある。


聞いているのか聞いていないのか効いては居る様子で、ぴくりとはするけど、、w


「あー、でも私、弱いから、、」博子

はあ?とでっけぇ声あげる領主とじじばば


「今思い出したけど、、」最悪の時に思い出すよな?

「前に居た小館村の連中、怖いわー、、」

(??この子が、怖い?怖いなんて感情、持ってたの?!!)じじばば領主つぶやく、、


とても失礼だが、でもその気持ちはよくわかるな。と、華子。


じーさんが後日婿(将軍様)に訊くと、小館の人狼部隊と泉のことだろう、と言った。アレに勝てるのは日のいずる国の国王とかじゃないかな?と。

あ、でも泉ならもしかしたらもう勝つかもなぁ、、とも。


それ聞いて、それなら仕方がないとか一瞬思ったが、、

いやいやいやいや、そういうレベルの世界かよ博子!!って思い直したじじぃ。



博子もなんか補正かかってるのだろうか?


ーー


その後、

それでも華子は特に鍛錬に身を入れることもなく、博子の活躍を見るのを楽しむばかりだった。


ある日、華子は思い出してしまった。

「そう言えば、小館村って、、、」

「あ?なんだったっけ?」博子

「貴方が前に居たって、、」

「そうだったっけ?あまり覚えてないなぁ、、」

まぁ、それならそれでいいか、、あまりいいことなかったのかな?

と、気を回す華子。付き合い長いのにまだ博子のことを普通に近いと思っているのだろう、、、


単にあまり気にすべきことでもないので忘れ去っているだけなのに、、


こうして、博子によって、小館の危機の一つは回避された。

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