第257話 後後132 日常の正夢と上村


あ、夢見た。

起きた時そう思った。

何の夢か?


なんか、娘がいた、俺の。小さな子。で、2番めの娘と3番目の娘ができ、1番目に「お前がウチを継げなー」というと、わかった、とかいうような返事をされた。

なんかそんだけ。

でも、

その中で話にもなってないけど、、その長女は俺がどっかから拾ってきたみたいな?そのおかげ、その長女のおかげで嫁と知り合い娘が2人できた、とかみたいな感じだった。

一瞬の夢だったけそ、たったそんだけだったけど、、

なんか重要っぽくって、、、


というよなことを朝食時に話していた。シューレ食堂。泉さんとシューレがいる。なぜかロク狼とそれに目をつけたBも。

「正夢正宗と名付けよう」シュ

「ああ、カッコイイな、」泉

「正夢なんですか?」B

「しらぬがそれっぽいだろ?」シュ

「ああ、っぽいよな」泉

「そんなんでいーんですか?」B

「正夢かどうかなんて、それが起こってみて始めて”ああ!正夢だった”ってわかるんでな、今わからんよ」シュ

「匂いは正夢ですねー」ロク狼

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・×4


「・・・・わかるの?」俺

「???何が?」ロク

「正夢だって」

「????何が?」

「いや、、だからお前今の俺の夢の話の匂いが正夢臭いって、いったじゃん!!!」俺

「??ガクさんの匂いが正夢臭いって言ったんですよ?」ロク


どーユーコト?

「!!、なるほど!」シューレ

「正夢を見た本人がらそれが正夢かそーでないか、という匂いがするんで、ロクがそれを嗅ぐことができた、というわけだな?」

「そーですよー」ロク


めったにかげないけど、嗅ぐと、ああこれが正夢の匂いなんだ!ってすぐわかる匂いらしい、初めてでももろわかりの匂いだそーな。

「いい匂いなの?」B

「んーーーーーーーーーんんんんん」ロク

「悪い匂いとか臭いの?」B

「そーでもないです」ロク

どんなんだろう?と思う皆。


まーいーや、なんか良い夢見たらロク狼に嗅いでもらえばいいや!

と皆は思うのだった。


ふーん、シューレでも初めてのことってあるんだなー。と何気に思ったガク。

「そりゃそうだ。長く生きてても私は一人だ。一人分の長い人生しか経験していないんだぞ」

まー、そういうものなのかな?かなぁ?

と、他の皆は思った。



その日は、いや、その日 も ガクは特にやることもなく、、

泉さんは暇な者や子どもたちに稽古をつけ、

若手軍団はそれぞれ獣人やひとでもめぼしいモンが居たらすぐに魔法の稽古を無理やりつけている。

そんちょーから村に「特に急ぎの用がなければちゃんと相手してあげるように」と達示が出ているので皆従っているようだ。


他国の人狼軍達も、泉さんの稽古が始まるとすぐに参加するのが、、、どうしてわかるんだろう?泉さんは早朝稽古以外は気分というか、そういうものが居たらやる、でやってるのに。


ガクはモフリミングの看板を作ってもらったのにまだ使っていない。午前中はガクの家は幼児たちの学校になっているんで使えない。

午後は大概ガクはなんかやってしまってるので、そのまま忘れてしまう。

家の前に出しているんだが、帰ってきた時に何故か視界に入らない。

看板として致命的な資質の看板だろう。


そ~ゆー看板ってあるよね?

探しても探しても見つからないでさー、ある日、あ、あの店こんなとこにあったんだ、、、、と見るとちゃんと看板付いているの。なぜ見えなかったんだろう?とかさ。

ステルス看板       意味ねぇ・・



なので、またいつものとーり、川に沿って上村の方に散歩する。

水車の増殖も修まったようで、あれからほとんど増えているようには見えない。よかった、、、釣り場は幾分どうにか残っているようだ。

そのままのんびり上流に。


小一時歩くと、上村の養殖場。

そ~言えば、随分前に大王うなぎだったっけ?あれ、どーしたろ?


「これこれ、そこの子どもたち。少々聞きたいが、、」

「あ、おっさん、、、、もしかしたら、このおっさんがあの伝説のおっさんか?」

と、一人のきかなそうな子が他の子たちに言う。


「ん?なんだね?その伝説のおっさんって。俺おっしゃんじゃないけどな?おにーさんだぞ」

「えー、おっさん知らないの?ここには村の危機には現れて、村を助ける知恵や道具を授けてくれるおっさんがあらわれるんだぞ?」

「しらねーなぁ、、、悪いな、、この村のもんじゃないんで、俺おにいさんだよ」


「んじゃおっさんに教えてあげよう。この養殖場も、その伝説のおっさんのおかげでできたんだ。あと、養殖もそこそこしかいかなくって壁にぶち当たってた時、その伝説のおっさんがまた現れて、今度は大王うなぎを与えてくれたんだ。で、ほら、そこのでっかい板囲いの養殖池がそれだ、すげーだろ?うねうねいっぱい居るだろ?きもいだろ?!!」

「いやそこは、すげーだろ?って誇るんじゃね?きもいだろ!ってえっへんされてもなぁ、、お兄さんだよ?俺」


「俺らは、前任の兄貴たちからここを任されてるんだ。兄貴達はおっきくなったんで、いろいろなとこに丁稚修行に出ていった。覚えたら帰ってくるけど五年とか一〇年とかかかるらしいので、俺らがここを守る。わかったか?おっさん」

「おー、立派だな!頑張れよ!オニーサンだけどな俺は。で、これ、売れてるのか?」


「おお!すげーぜ?毎年領主様や将軍様にも献上してるしな!!」

「献上してるのか、えらいなーおまえら!!で、どのくらい?献上しているの?」

「一度に五〇匹くらいかな?」

「・・・どんくらい養殖できているんだよ?」

「月一〇〇匹くらい」

「お大尽じゃん、この村」

「そーでもないぜ?他の死にそうなビンボー村にこの養殖教えてやってたりしたら、値段はかなり下がって、庶民でも年に一度は食えるんじゃないか?」


「すっげーなお前ら!この村!!正義の味方村じゃねーか!!」

いやぁ、、えへへへへ、、、と、皆照れてる。


「ふーん、エライなぁ、、、」

「ああ、伝説のおっさんがなんか他に困ったのいたら助けてやれとか言ったらしくってな、反対する大人もいたけど、押し切ったんだよ兄貴達は」

「英雄だな?!」

「あー、すげーだろ?おっさん、おっさんもガンバれな!」

「あー、俺はオニーサンだけど頑張るわ、お前らもな!」

おー、という声を聞きながら俺は更に上流に向かう。


へぇ、、あの子達の二代目か、、オモシロイもんだ、、つーか、、俺もどんどんおっさんになってくんだなぁ、、今がぎりぎりかもなオニーサンと言い張れるのも、、、


嬉しいことを聞けたが、悲しい現実も見てしまうガクだった。



夕食時

そ~言えば、

「なんか、泉さんって、増殖して増えそうですね」ガク

「・・・」泉

「・・ああ!なんかそんな感じ、、わかるわっ!!」シューレ

シューレも認めるっ!!


泉さん不安顔。自分でもわからない様子、、、、ぷw


「ひでぇ、、」Bとロク狼


なんか最近の食事のメンツになりそう、、

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