第157話 後後32 刺し身の街、魚の街。ちなみに食通物語ではない。


「港の方に行きますか?」

「どこでも同じ、というか、店によるだろうな、あー、宿でいい店訊いてくるんだったわ、、」

「あれ?宿は?今朝のイカも捌くまで生け簀だったし、、」

「・・・言われてみれば、、、そうだな、」

宿に戻り一階の食堂に


「よう、なんかいい刺し身ある?」泉さん

「あ、おかえりなさい、ありますよー、今朝入った魚達!またぴっちぴっち!!煮ても焼いてもうまいっす!」

と給仕のにーちゃん。


昼近いので、客もちらほら入っている。

こりゃ、昼は混むのかな?と思う泉

刺し身の盛り合わせと、あと適当に合わせて昼飯2人分くらいにして、と曖昧な注文をする。


「承知しましたー!」とすんなり受けるにーちゃん。


席について、

「やっぱ、ここいいかも知れませんね」

「ああ、もう客が入ってるからなぁ、、もう少し遅かったら混んでたな」

「ですねぇ、、」


混む前だからか、程なく飯は来た。

・・・・・・

山盛りの刺し身。煮っころがしの鉢、つけものの鉢、味噌汁。ごはん。味噌汁とご飯以外は2人分なのだろう、大きめの器が一つだ。

「味噌汁とご飯はおかわりできますよ、あ、あと漬物も」にーちゃん。

「お、おう、、ありがとう、、、にしてもすげーな、、」

ご飯茶碗も味噌汁の椀も大きめ。


「あっはっは、ここは港町ですからね、みな大食いですよ!んじゃごゆっくり!」

「「ありがとう!」」


来た時はその多さにびっくりだったが、、、


「あれ?もう無い、、、」泉さん

「そりゃ、食っちゃったからね。・・・おかわり、します?」

んんんんん、、、悩む泉さん

「いや、ほかの店もまわってみたいんで、いいわ、」


「「ごちそーさん、うまかった!!」」

店が混んでるんで、食べ終わったから早々に出る。



すごく混んでいる店をチェックし、「空いてきたら行こう」ということにした。なので昼のこの混んでいる時間はお店のチェックに丁度よくなった。


回ること一時(いっとき)ほど。非常に良さげなのが5つ。ついでにケーキ屋3店。

道端に出ている天秤棒の茶屋で茶を飲ながら道のわきにあるなんかに腰掛けて、、その茶屋が売ってる茶菓子をつまみながら時間を潰す。

「おいガク、、この茶菓子もうまいな」

「ええ、ごまを砂糖で固めてせんべいにする、って、俺の時代の中国人達の菓子でありましたよ」

「へぇ、、おまえらの時代は菓子も外国から入ってきてたんだ」

「ええ、こと、食い物に関しては世界のが食えたんじゃないですかね?」

「へぇ、、食い物は天国か?」

「まぁ、、そうっすね、わりかし?」


泉さんが3度めの、茶と菓子のおかわりをしようとしたので止めた。

「ごはん、もっと食うんでしょ?」

「・・・そーだったな、、」


で、そろそろ客が引けてき始めたようなので、近くのチェックした店に入る。


「ちーっす、、刺し身の盛り合わせと冷酒2つくれ。」

と給仕に声掛け、空いている席に座る。


程なく来る。

「はやいっすね、、刺し身だから注文受けてから切るでしょ?」

「あっはっは、うちのコックは凄腕だから。」と給仕


「おう、、たしかに、」と、切り身を箸でつまみ上げ、

「包丁も大したもんだ、、業物か?」

「うーん、、料理長すごく大切にしているからなぁ、、かもしれませんね」

「剣士上がりか?」

「さあ、、昔話は訊いたこと無いですねぇ、、」

並べたら給仕は仕事に戻った。まだ忙しいのだ。


「やっぱりこの国は、武の国なんですねー」俺

「ああ、らしいな。」泉さん



美味かった。ので、酒もすすんだ。

べろべろまではいかなかったら、なんか狐に化かされて飲まされたような、、、


なので、冷ますためにケーキ屋に。

先程発見していた1つ。一番近場の店。


ほろ酔い以上だったが、ケーキを見ると表情が元に戻る泉さんが、、、


「これとこれとこれなー、あとそれに合う飲み物をくれ」

とさっさと注文し席に向かう泉さん

んじゃ俺は、、、

シューがあるじゃん、、もうつくれるようになったのか、、、すげーな武国、、、

シュー系はまず外れないだろう。

抹茶クリームと紅茶クリームのを頼んだ。飲み物は、、紅茶でいいか。



俺の2つは、半分泉さんに渡す。味見。

「へぇ、、うまくできているな、、」

「ですねぇ、、武国のシェフも、大したもんですねー」


「あ、、ええと、、」と通りがかりの給仕

「あの、うちのシェフ、日のいずる国から来たんです、、というか、オーナー?」


「「へぇ!来てくれたんだ?」」びっくら!!2人。

「いや、、、南部に?」

「船で来たんでしょ、、で、魚が美味いから居着いたとか?」

「はい、そっちのお客さん大正解w」


「「やっぱ食い物なんだ」」


何度かお代わりしているうちに他の客も減り、オーナーの手が空いたのか、挨拶に来た。

「なんか、ウチの国に行ってたそうで」

「「うまかった!!」」ガク&泉

「あっはっはっは!!そーでしょーとも!!」


意気投合、甘いもの好きだけど酒も好き、っていう、あっちのデフォ人でもあった。

なので、こっちの特級酒にもはまり、うまい酒と美味い刺し身でここから出られなくなったらしい。


「あの、訊くけど、、妖精じゃ、ないよね?」俺

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