第101話 後−28 なんとなくそばが手頃、、、


翌朝、宿の部屋。

「そろそろ次進みますよ!!」俺

ベッドの中でまだもぞもぞしてて出てこない。


「ほら!寒いんでしょ!!、とっとと行かなきゃ身動きできなくなりますよっ!!」

「えー、でもまだここのケーキ堪能していない、、、」

「うそつけ!酒飲みながらつまみに食ってたのはなんですか!」

「ありゃ、つまみだ。ケーキとして食ったんじゃない。」

「却下!!」


それから食堂で朝食とる時にきいたら、次の町は結構あるので、夜明け頃にもう一番が出るそう。客が多いので3番まででることも結構あるとか。

「でも、3番だと、向こうに着くのがかなり遅いんですよね。やっぱり1番がおすすめかなぁ、、」と給仕のおにいちゃん。


「んー、、ここの食事の美味さの秘密もしりたかったが、、仕方がない。明日一番でいくかー」

「え?ここの食事ですか?魔法の粉ですよ?」

「へ?」

「えと、乾燥ヒドラの粉末とゴブの・・

「あ、いーっす・・・

「冗談ですよ!!」

ムカッ!

「俺もそれを知りたくってここに入ったんですが、、特になんか使っているってぇわけじゃないんですよね親方。

火加減が絶妙だとか、味付け加減も絶妙というか、、そういう職人レベルみたいなかんじですね。一朝一夕に覚えられるようなもんじゃない、って思ってますよ」

「はー、すごいんだな、、」

「ええ、だから俺も気長にやろうかな、ってね」

ふーん、、、


「あっちの、、ふつーの宿ってのは?」

「・・・ああ、、アレね、、食事の美味さで勝てないんでいろいろやっているうちに、それが好きになっちゃって、本末転倒でアレな宿って有名になっちゃいましたね。」

・・・・・・


んなこんなで、

その晩はあのおっさんと丁稚とお別れ飲み会をいつもの酒蔵アッチャで。

立ち飲みの店なのに一晩中よく居られるよなー、とは思う。まぁ地べたに座って飲んでるけどね、スルメとか地べたに置いてw


で、未明に泉さんを回収し、宿で荷物を背負い、泉さんを小脇に抱えて停車場に。

(背負子がほしいな、)とか思いつつ、夜明けには馬車に乗っていた。




ぱっかぽっこ(以下略)

「う・うーん、、、、・・おや?」

「おや、おや?おはようございます?」

「・・・・ああ、馬車か、、、」

「馬車でございますが、なにか?」

「わるかったよー、、しかたねーだろ?友達になっちゃったんだからよー」

・・

「ほどほどにしましょーね?」

「りょーかーい、、」



出発が早かったし、朝飯も満足に食えなかった者も多いだろうと、この路線は朝飯タイムにちょうどよい休憩を入れてくれる。

茶店がちょうどよいところに出ているのだ。うまいよねぇ?

朝定食とかあるんだから完全にもう馬車とセットだよね。

まぁ駅馬車は便利だけどね、定期長距離バスみたいなもんだから。


で、朝なので軽くそばの定食。そばと、珍しく握り飯があったのでそれ。

「農国って、そばうまいっすよね?」

「あ、あーそーだなー、、」

「でも食事が基本洋食みたいなのに、そばですよ?」

「うーん、便利なんだろ?簡単でうまいし、、消化いいから馬車に揺られてもきつくないしなぁ、、」

「兵隊食?」

「あっはっは、兵隊はガッツリ食わねーと持たねーよ?戦闘の朝はほとんど食わせないけどな」



馬車は東に向かっているが、道は少しずつ南にも向かっているように感じる。

少し気候が温暖?に感じるのは、わずかに南におりたことだけではなさそうだ。

遠くの前方、つまり東に低い山の連なりがみえる。前方左、北側のかなり向こうに高い山々が連なるのは、スタリッツァ以来変わらず。

寒気を防いでくれる防壁になっている。

あの向こうは極寒とのこと、、ううぇえええええええ、、

でもこっち側はいい天気で、、、


昼食もそば食った。

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