第100話 後−27 師匠は支障


おっさんの目の前にはケーキが2つ。

「お?これ?黒猫で買ってきたつまみだ。食うか?」

ぶんぶんぶん!!横に首を振る俺


いや、どぶろくとケーキは、、無理っす、、、

甘酒だったらまだしも、、あと、ウイスキーとかブランデー?あいそう?


泉さんはそのケーキを少しつまんでは酒飲んでいる。うえぇぇぇ、、、、、(って鳥いなかったっけ?)

ここは立ち飲み屋だ。なのでいずみさんの頭はカウンタにはんぶんくらいしかでていない。見えるからマダまし、とか言っている。

見た目こどもにいーのか?


「うちのどぶろくは甘酒と似たりよったりだ」

とは店の主人。

ほんとかよー、

あ、、うめぇ、

「なんこれ?うめぇ、、」

「だろ?」主人得意顔。

うむ、この美味さにはそのいかにも得意げの顔も当然というものだ!!

ま、酒精分はよわいね、たしかにちょっと強い甘酒って程度

酔わねーな、、


と思っていたのは甘かった。

どぶろくじゃ不足で、おっさんと中身おっさんどもはすぐに清酒コース!!

最初はお燗してたが、すぐに待ちきれなくなってそのままコース!!

そのうちおっさんは一升瓶そのまま咥えて飲み始め、、


気づいたら、朝、、、床に寝ていた、、、あ、重いと思ったら上に泉さん、おれを布団にしてんなよー、床が硬いからって、、、、

ま、子供だからそれほど重くないけどね♪


あれ?丁稚、、いつの間に来てたの? 目の前に丁稚ものびている、しっかり一升瓶抱きしめて、、、


あ?誰だこのおやじ、、ああ、店の主人か、、、こんな商売の仕方してて、長生きしねーな?


「くそっつ、何が口直しの街だ、、、ツッコミどころ満載じゃねーか、、、」

やばい気がする、、、


ーー


泉さんを小脇に抱えて帰ってきてベッドに寝かせる。

俺もばたんきゅー。


昼頃起きてハラ減ったので下にいくと、、鬼混み、、、部屋に戻ってもすこし寝る。

2時間ほど寝たかな?

下に行くと客はちらほら。

でも、この時間でも食堂に客居るってめずらしいなぁ、、宿にしては。

昼定食を注文。


へいおまち!

とデッカイお盆に全部乗っかっている。

「ほう、こら、、」

「いやいや、まず食ってみてから!」給仕

んでは、、

もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐごっくんもぐもぐおぐおぐもぐもぐもぐもぎゅもぎゅもぐもぐごっくん、ずずっつ、ずずずずー、、っぷはぁー、、もぐもぐぱくぱくもぐもぐぱくぱくごっくん、もぐもぐ・・・


ずずずず〜ー、、っぷはぁーーー

「んまかったぁ!!」

「おそまつさまでした!」と給仕は茶を持ってきてくれた。

「満員になるのがうなずけるわー、」

「おかわりはよかったんっすか」

いや、、最初からどんぶりめしだろ?

「つか、この丼で、おかわる者、いるの?」

「ええ、結構居ますよ?」

・・・・・へぇ?、、、


ふぁーー、、、おう、、

「おー、学、メシ食ったのか、、どーだった?」

「ものごっつくうんめぇ!!」

「へー、んじゃ、俺も同じものくれないか?」と給仕に

「へい、飯は丼で?」

学のをみて

「うん、同じので」

「かしこまりましたー、昼定食いっちょー!!」

うーい!と厨房から返事。


で、給仕は泉さんにも茶を入れてやる。


「よくあんだけ飲んで、朝飯つか昼だけど、飯食えますね?」俺

「あ?、、、、そんなのんだか??体調、いいぞ?」

とかいいつつ、ずずずっと茶をすすり、はぁー、とか今度はジジむさくなっている、、

全年齢少女?しかも婆ぁではなくおっさんベース?妖怪・・・



泉さんは飯に大満足し

「んじゃ、夜に備えてまた寝てくるわ、、」と部屋に戻っていった。

わざわざ備えるんか、、


それから数日、毎晩泉さんは飲み歩いていた。あのおっさんと丁稚と。


おっさんはこの街の工房主で、近隣の街にも弟子の工房があり、たまに見にいているそうな。

「という名目で、街々を飲み歩いてるんですけどね」とは丁稚情報。

「いや、面倒もみているだろう?」

「最近は皆ちゃんと自立できてきたじゃないすか」

「いや、最近は、だろ?」

「、、ここんとこ親方があまり邪魔しに行かなくなったから、まともに仕事出来始めているんでしょ?」

「・・・・なに?、、初めて聞いた、、、そーなの?」

・・・・

弟子にとって迷惑でしか無い師匠、、、支障か、、、?


飲みに行くのは勿論俺も同行する。

しないと、、

以前、あるとき絡まれて、店ごと崩壊させてた泉さん。

ソレ以降、泉さんが飲むときは大体目を話さない俺。もしくは他に泉さんの破壊を停められる人がいるばあいは行かないことも。めったいないけどねー。

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