第99話 後−26 口直しの街 アッチャコッチャ


翌朝の馬車に乗った俺と泉さん。

なんか、このナンダコッチャに居ると、感性がおかしい方向に捻じ曲げられる気がして、自分の心の?精神の?声が「早く他の街に!!」と訴えかけてくるのだ。


ぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこぱっかぽっこ


「ああ、街が離れていく。やっと一安心、かな?」泉さん

「ええ、誰に追いかけられているってわけじゃないけど、、とっとと離れたいって気持ちはすごかったですからねぇ、、」


「なんだ、兄ちゃん達、怖かったか?ナンダコッチャは」

「うーん、怖かったっつーとそーなのかな?そーなのかも?、、よくわからないですけど、、早く街をでろと俺の心の中の声が、、」

「あっはっはっはっは!!よーくわかるわっ!!わはっはっはっは!

でもな、いいこともあるんだぜ?

あそこの街から来るとな、次の町がとってもいい街に見えるんだ!!」

・・・・

「おならとかうんこ嗅いだあと、生魚かがされて、”アアいい匂い”ってのと一緒か?」泉さん

「あっはっはっは!それだよそれっ!!」

「いや、おやっさん、それは言いすぎでしょう?曲がりなりにも俺達の街なんですからぁ、、」

とそのおっさんの隣んに座っている若い子、丁稚?

「いや、だからナンダコッチャのおかげで、うちの街に滞在する者おおいじゃん?」

「まぁ、、ひていできないっすけど、、逆方面からは普通に一晩だけですからねぇ、、」

「ほう、口直しの街、か、、俺らも2−3泊していくか?」泉さん

「くくくくっ、口直しの街とはうまいこと云うじゃないかwwwwぴったりだっ!!!がっはっはっはっは!!」

何通りの笑い方を持っているんだ?このおっさん、、、


「ケーキ屋、多い?」泉さん

「あ?好きなのか譲ちゃん、、おおいぞー♪、うまいぞー♪、見た目もキレイだぞー♪」

ごくりんこ!!(泉)

「ほう!それはそれは、、おすすめとか、あるか?」

「うーん、、、中央通りの一本西側の裏通りにある、喫茶黒猫なんか、、俺、好きだぞ?」

「え?おっちゃん、、ケーキ好きなの??」

「あ?俺だってうまいもんは好きだぞ?勿論酒も好きだがな!!はっはっはっは!!!」

・・・・

(泉さんとかわらんじゃないっすか?)

(おれも、こんななんか?)

(中身は一緒っすねー)

・・・・

「んじゃ、飯がうまい良い宿ってありますかね?」俺

「うーん、俺らは泊まらんからなぁ、、でも、、黒猫の近くの山猫亭なんか、いつも混んでるよなーあの食堂。」

「ああ、そうっすね、一度昼に食べに行きたいと思ってるんすけど、いつも満員。でも泊まれば朝も晩も食えるんで、泊まるんがいいんじゃないすかね?」

「うん、そうしてみる、ありがとう!」


「今回はまともな滞在できそーですね?」

「おう、、はやく黒猫に行きたいな!」

「いや、山猫先でしょ?晩飯食ってからですからね?」

「・・・ケーキだって食事だぞ?」

「ちがいますって!」

「うん?にいちゃん?ケーキはつまみにもなるんで、れっきとした食事だと思うぞ?」

ここにもいたよおかしなのがっつ!!!!

ケーキと酒、両方好きなおやじはダメな方だっつ!!!


その後、おっさんと泉さんは酒談義。

清酒はやっぱ武国の特級がうまいということで合意。

でも中級は農国には敵わないと。

普段飲む者達には、農国の方がいいなー、と。


酒で住む国きめるんか?

「酒好きってのは、そこまでやってこそだぞ?」おっさん

泉さん、なぜそこでうんうん頷く?女の子なのに、見た目は。

でもこのおっさん、きっと泉さんをおっさんとしか認識していないだろうなー

泉さんって、話ししているとどーしてもおっさんとしか認識できないんだよねー



でも、こういうのが旅の面白さである。

たまに、気が合う他人同士が接点を持つ。


御者乱入♪

「お客さん達、どぶろくを忘れちゃ困りますぜ?俺達労働者にはありがてー酒だ。しかも、店によって全然味が違う。

うめぇのを見っけた日にゃ、その日から数日は嬉しさ続きますわ。

次のアッチャコッチャは、、山猫亭の近くの造り酒屋の、、なってったっけなー、行けばわかるんだが、、、」

「ああ、酒蔵アッチャ、じゃねーか?、こっちから行って山猫の2−3軒先の、、」おっさん

「ああそう、多分それだ、あそこのどぶろく、、今ちょうどシーズンに入るんじゃねーかな?寒くなってくるほうが上手いの出来るから。」

「「良いこと聞いた!!」」おっさんと泉さん

二人してニカッと笑いあい、サムズUP!!

なんだかなぁーおっさんどうし、、、


大体3時頃っぽい感じの時分には、もうアッチャコッチャに到着。

「昔は今の道がなくって遠回りしていたんで、ちょうど夕方に着く感じだったんだよ」と御者


「んじゃありがとー!山猫に行って、黒猫でケーキ食ってから、酒蔵アッチャに行ってみるわー!!」

と元気よく皆と別れた。



「おう、来たか、、」

と、午後に別れたおっさんが居た酒蔵アッチャ。

もう一杯やっている。


泉さんとハイタッチとかしているし、、、

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