第26話 白えも〜ん


人狼達も増えている。

秋頃になると子を産みはじめる番がいくつかある。

見たいけど、番の気が立っているので見させてもらえない。

で、そのまま忘れ去るオレ。なにせ今面倒見ているかっわいい!子どもたちが居るからね♪


で、産まれた人狼の子も2歳位になれば、自分たちで表に出る。人間で言えば4-5歳くらいな大きさか?なので人間たちは5才と勝手にしているが、人狼達も別にそんなこと特にきにするようなことでもない、人間がわかりやすいならそれでいんじゃね?的に放置。

まだうちの子どもたちグループに入るには小さいかなー。

カタリーナが最初この村に来た時は、もう少し大きかったなー。と思い出した。


随分変わったなぁ、、、、



カタリーナは8才くらいになっている。初期設定は5くらいだったはず?なので3年くらい経ってる?(設定って言うな!)

人狼はベースが狼なので、歩き食べるまでは早く成長する。その後、知能の成長をベースに成長速度が決まるので、人間と同じ成長になるという。

なので、見た目3−4さいくらいからはひと種なみの成長速度。

カタリーナはこの村に来た頃は5歳位にみえた。今は見た目8才くらいだろうか?

上の子達はもう小学校6年か、ガタイのいい子は中1くらいに見える。



・・・・

あれ?

んじゃ、、

オレ、

イッタイ、イマ、イクツデーィスカァ?


「そんちょ、オレがこの村に拾われてから、何年たった?」

「・・・・?2年位?」

「人狼が来てから二年以上たとるわいっ!!!」

だめだ、、



「白えも〜ん!!たぁーすけてぇ〜」

「だから誰だってそれ」

「言ってみたかっただけ」

いずみえもん、よりは、しろえもん、の方が言いやすいとね


で聞いてみた。

「泉さんがこちらに来てから何年になりますかね?」

「・・・数えていないぞ?」

ったくどいつもこいつもっ!!!


この国はイッタイ自分の年齢というものをだなっ!!


「領主さまぁー!!」

「そうだなぁ、、記録はしておらんが、記憶も曖昧だが、、お前がこちらに来たのは多分、4年が満るくらいなんじゃないか?」

さっすが領主様!!

顔にもろ出たようで、領主様もドヤ顔にっ!!


「あ、、んじゃ、高校生じゃなくなっちゃってた、、、浪人生だ、、、」

「ん?いや、仕官しているのも同じじゃろ?僅かとはいえ、将軍から禄をもらっているのだぞおまえ」

「おお!!就職している、いつの間にかっ!!ニートだとばっかり思っていた自分がっつ!!」

・・・・

「まぁ、先日の子どもたち部隊もあるし、結果を出していると思うぞ?お前は今迄くらいで丁度よいのではないかのう?」

ほめられているのかな?どうなのかな?

「まぁ、あれは子どもたちが自分たちで出した成果だし、、、」


「いーやソレは違う。お前があの子達の面倒を見始めたから、あの結果にたどり着いたのだ。お前という存在がなければ、もし他のものがあの子達の面倒を見ていたら、多分、あの結果は出ていない。誇っていいぞ?」


「・・・ありがとうございます、、褒められ慣れていないんすよねー」

「これから慣れろ」

・・・


そろそろだな、嫁も用意をはじめるか、、と表には全く出さず、心の中でほくそ笑むあずまたけしのぶたたであった♪






人狼の幼児達は総勢12人。こちらに移住してから産まれた子達だ。

山で暮らしていた時に比べ、倍の出産率だそうだ。生活環境がでかいってことだな。


見た目、

3−4才、が6人、

歩きはじめが6人。

歩けない=前の秋からこの春にかけて産まれたばかりの子は、親と居るので除外。



太狼(タロウ)達5人に振り分ける?

それとも合流させる?

最初合流させて様子見、かな?



警らの速度もゆっくりとし、山のプチ狩りも、ウサギとかにして、小さい子達に合わせた。

半月ほどしたら、上の子達が有り余るパワー発散できない症状が見えてきたので、2日ほど小さい子達をお休みにして、上の子達で狩り三昧w

よかった大人たちと荷車を結構用意しておいてw

増えていた魔獣を中心に強いものばかりふた桁狩っていた、一日あたりで。

運び要員に頼んで来てもらっていた小館隊の者達も、子どもたちの狩りにびっくり驚愕。


いやいやいやいや、オレじゃないからっ!!やめて!そんなめで見るの!!

怖がらないでっつ!!ただの生活学者だから!!ほぼ無駄飯食いだからっ!!

彼らが自分達で成長したのに、俺のせいにするな!!?


まぁ、泉さんと領主様が真実を知っているからまだギリセーフだが、、、





子どもたちの小さい子たちへの面倒見はとても良い!

流石狼?

しつけもいいっ!!

噛むんだなー。噛まれた方も素直。

今度生まれる時は狼か人狼になりたいなー、イルカもいいけど、、


勿論毛並の手入れは私がおこないますわ♪おーっほっほっほっほっつ!!!

人数増えたので、食前と食後にわけた。食後の子達はそのまま眠ってしまうので、余計かわいい♪

まじこっちに来て良かった!!モフ神様!!本当にありがとうございますっつ!!!!


ブラシで梳いて抜けた毛、ふっわふわで、捨てる気になれないんだよねー。でもとっといてもどーしょーも無いんだけども・・・。




ある日、領主様のところに遊びに泊まりに行っている時

晩飯終わった後の一杯時


「そう言えばの、おまえ達の禄、わしのところに届いているからわしが預かっている。使う時に言え。」

「えー、別に使うことなんぞないっすねぇ、、」

「うむ、わしも、必要なものは全て領主殿が用立ててくださるので、、刀まで誂えて貰ったしのう、、」

「お、領主様太っ腹!!」

「いやいや、お前らの働きがこの領を助けてくれているしの。更に攻国討伐の成果が大きかった」

「モフ☆モフですか?」

「それも大きいが、福田がのう」

福田氏は泉氏の横で飲んでいる。

「え?福田さん?優秀だけど、泉さんの副官じゃ?・・」

「譲り受けた」


「トントン病死の大出生?」

「誰がなんだって?とんとん拍子の大出世だろー、失礼なやつだなー」泉さん

「いや、福田さんごめんなさい、びっくりして、、」

「いやいや、こちらこそおかげ様なのです。あのとき学様が私を見出してくれなければ、今ここにこうして居ることはできませんでしたから」

「面白い縁だのう、、ここで、4人、こうして飲んでいるが、3人が外来じゃ。」

おお!そうえいば!!


「福田はな、領地経営に関してとても才能を発揮し始めている。

ただ、効率優先しすぎるきらいが強くての、泉が手綱を引いてくれる。

とても助かっている。

学、おまえの成果も地味に凄いぞ?見るか?」

領主は何枚かの書き物を出した。


「これがお前の来る前までの領地の税収。

それで、これが去年の税収」

へ?え?なにこれ?

「倍増どころではない。10倍に届こうというくらいだ」

なんで?オレ関係ないし?


「おまえ、、、自分は関係ないって顔してからに、、

しょうもないやつじゃのう、、、、あいかわらず、、


いいか?

お前、来てからまず何をした。

ほとんど領内では無かった水利をこれでもか、というくらいに広め、

便所と水浴び場を広めて病気などを減らし、それは同時に人々に「清潔」という概念を浸透させた。

他の便所は「汚い」と思うようになったのだ。これは大きい。病気が少なくなった。

更に、養殖、栽培など、今迄やっていなかったもの、容易にできること、を広めた。

そのなかで最も意義が高かったのは

”情報の分かち合い”だ。

自分の村だけ、というのでは無く、周囲の村まで一緒に豊かになっていくのがいい、という、一種合理性が元にあるのだろうが、それが全体の「雰囲気」を明るくし、信頼関係を作り出している。

更に、モフ☆モフのおかげで、ひとの獣人への見方が良い方に激変した。これは国家規模で大きいことだ。


お前、自分がそんなことをやってきた、なんてまったくわかっちゃいないだろう?」


ふふん、みたいな、ぷちドヤ顔の領主様。


えーと、誰が何をしたって?


「いや、だって、好きなことを好きなようにやってきただけで、、、」


「それが、お前の出した今の結果だ。お前が作ったものだ。途中からだが、一緒にバカやってきたオレが見てきたのだからよくわかる」泉

「そうです、私がここにいて、領主様と泉様にお仕えできるのもそれなのです」福田


「そうじゃ。お主はお主の心のままに生きていて、今の結果を生み出した。それでいいのではないか?」領主


なんか、泣きそうになった。

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