第5話 スピード狂、というものを生み出してしまった、、、、、


箱馬車献上!!

領主の城の広大な前庭、城の馬車回しに領主向け箱馬車は停まっていた。


つか、すげーなどんだけ土地余ってるんだか、田舎か!!、、、文明人俺には門から屋敷まで歩くのなんて無理!到底無理!!途中に休憩所作れよ!!なほど。歩いてくる者なんかいないだろーけど、、。

お!!ここでこそ自転車ですよ!!そっかー、そっかー、こういう者たち向けに「超高額な!」自転車作ってぼろもーけ?いいね!やってみよう!!

なとと妄想しているとやってきました領主様、王様じゃないよここの領主だよ、単なる領主でこんなでかい屋敷?城?だよ!!国王ならどんだけなんだよ!もうそうしきれねーよ!!!


「ほう、これが、、、よい、皆のもの立って説明せよ」皆跪いていたのだ。

で、そんちょと熊が中心になって説明している。あ、乗せた、なかでわいわいやっている。だろーなー、中の装備もあーでもないこーでもないって、盛りだくさんにしたもんなぁ♪ww


ちなみにこれは3シーズン仕様、寒い時期以外の使用を前提にしている箱馬車です。

外側は、、あ、今はずしている、、

あのように、両脇壁を外して格子をベースにした花やらいろいろなものを彫り込んだ素通しになって換気の良い板に替えることができる。当然防御性無し!!通気を良くして中に熱がこもらないようにしたもの。金箔銀箔、銀箔に色を塗って赤銀にしたり青銀にしたり緑銀にした色も使っているので、そりゃ豪華!!そりゃ派手っ!!ガラスも生産しているようなので、ステンドグラスも使ってみたいものだ。冬用馬車の明り取りにいいかな?


村からは牛で引いてきた。馬などいないからだ。で、城に着いたら牛から城の馬2頭に換えていた。

で、その馬をつけた馬車に御者が乗った。走り出すのだろう。

門までゆっくり試運転、、、?お?どんどん速くなってないか?・・米粒みたいになったが、門についたのか?折り返してる?

あ、、お?お?おおおおおおっ?ばかっ速や!!御者がサイドブレーキを引き(4輪ブレーキにした)、急停車っ!!

領主大丈夫か?


「わはっはっはーーーなんじゃこりゃー!!わははわははわはっはわっはっはっはは!!あーはっはっはは!!」


オオウケじゃん、、、領主スピード狂?


涙流しながら大笑いの領主。その後ろから出てきたそんちょ、まじよぼになってないか?あああ、足がもつれた!!と、熊がさっと出て支えた。本物のよぼになっちったよそんちょ、、まぁ生まれて初めて味わった速度なんだろうなーw顔面ぐちゃぐちゃw恐怖顔と恐怖による笑いと泣き顔といろいろごっちゃになってぐちゃぐちゃ、、、ぷw写真にとっときたい


「(泣き笑いながら)、、まぁ、、これほどの速度は道が良くなけりゃ出せんがな、、あー面白かった!!とても面白かった!!」

肩で息しながら、そう感嘆した領主様w。


落ち着きを取り戻してから領主は熊に

「これほど速度出しても安定している。なんか路面からの衝撃がなにかで緩和されているが、停車時もすごかったな!そこらへんも含めて技術的な説明をしてくれ」


熊は、4輪それぞれに付いたサスペンション(+アブソーバー)、サイドブレーキ、しかもそれが4輪全部についていること、御者がうまく馬に合わせられれば、停止するときの馬の負担がほとんどなくなること、など説明した。更に「真鍮を小館村で打てるようになれば、更に驚くべきものができるだろうけど、今小館村に真鍮加工の技術はないので無理です」と。

まぁ、おねだりだなw

領主は少し考えた、考えた、かんがえー?どんどん首の傾きが大きく、、、

「もしかしたら伝があるかもしれん、、、少し待ってみてくれ」との返答を頂いた!やったな熊!お前はただの熊じゃなったな!!飛べるか?!


「で、みたことのない顔がおるの?」

え?領主、皆の顔覚えているの?まじ???もしかしたらこの人すごいの?すごい人なの?


よぼってながらも、一所懸命杖にすがって立っているそんちょが

「へぇ、、、学先生と呼んでおります。よんどころのないことでもあったご様子で、うちの村で行き倒れになっておりました。身なりはそれは変わったもんでいいものをつけており、他国のそれなりのお家のご子息なんでしょう。追手など考慮し、村から先生の話が外に出ないように匿っております。うちの村の特産物やこの箱馬車などは皆学先生のお知恵からです。ご領主様、どうかよしなにしてやってくだせぇませ、おねげぇ申し上げます、、、」


「うむ、良きにはからえ。お前らは適切なことをよくやってくれた。これからも彼の身柄を頼むぞ」

「「「「へへぇーーー」」」」


「で、だ。学先生、いろいろ話を聴きたい。中に入ろう。」


ドナドナにされない保証を今もらったんで、少々安心しながら領主にくっついて入る、、ついてくるのはそんちょと熊のみで、皆御者に連れられてった、使用人用の場所があるのだろうな。



「まぁ、詳しいことは言いたくないだろうし、他国のそれなりの者であれば、こっちも聞いてしまったらやばいこともあるかもしれんので、おまえの身上は隠しておけ。うちとしてはお前が授けてくれる知恵だけでも十分ありがたいのだから。」

と領主は始めた。


俺達は、そんちょの家まるごとくらいな広さの部屋の、応接セットみたいだけど半端なく豪華そうで馬鹿でかいセットのそれの長椅子側に3人はちょこんと腰掛けていた。ごそごそ話したら向こう側に聞こえないだろうなぁ、、などと思いながら。


領主の声はよく通る声だ。

「で、学先生と、呼べば良いのか?」

「学で結構でございます!」声が届かないと不味いんで怒鳴り気味で言う。

「よいよい、そう声を張り上げないでも聞こえるわ。通常の会話程度の声で良い。」

まじ?耳いいのかな?

「はい、承知いたしました。」普通程度の声。

「うむ」

おお、聞こえたようだ。そのくらい応接セットのテーブルもでかいし、だから俺の常識外に向こうと離れているのだ。


「で、学よ、他に何か入りようなものはあるのか?これがあったら何か他にできる、など、この地に向上をもたらせるために必要なことは配慮しよう。できる限りな。」

「ありがとうございます。とても助かります。」

「ありがたき幸せ、領主様の御威光の為、この地のために我ら小館村一同は一層精進いたします。」と、村長。熊も頭を下げる。


「もしよろしければ、精製された鉄を望みたいのですが」

「ほう、鉄か、、どのくらい?」

「1トンくらい」

「トン?とな?」

村長が助け舟を出す。

「向こうの単位でございます。およそ荷馬車満載2−3台分くらいでしょう。」

え?荷馬車って500キロも運べるの?大型バイク2台以上だろ?なにげにすげーな馬!!

まぁ箱馬車も冬仕様なら満載時重量1トンは余裕で越すな、馬2頭引きだけど。


「で、鉄と真鍮が使えるようになると、どんなものができるのか?」

村長が俺を見る。

「はい、暖房が作れます。」

一般的に、一般家はいろり、領主のような西洋っぽい建物の場合だるまストーブ様のものや暖炉を暖房にしている。いろりは煙をそのまま外に出さないのでその温度は室内にこもるが、煙もこもる。ストーブや暖炉は、煙の温度は煙突に逃げてしまう。

今の学の家の暖房は、その煙突の温度を使うことをしていたが、もし蒸気窯ができれば、水蒸気を循環させてなるたけ無駄のないものを作れるようになる。


「蒸気を利用する暖房です。火を炊く場所と暖かくなる場所を幾分離すことができるようになります。よって煙が寄って来ず、火事の危険も一箇所にできます。あまり広くなければ、でございますが。

更に!、その蒸気を使った動力の利用も可能です。小型の水車動力、と想像していただければいいでしょう。」

「ほう、、、、、なかなか興味深いものだ。うむ、おぬしの良きにはからい、皆のためになる、良いものを作ってくれ。小館村は同様に協力をするように。」

「承知いたしました。」「「おおせのままに!」」おい、俺だけ違っちゃったじゃん、、、外国人設定だからいいかーいっかー



領主から様々なみやげ物を頂いて俺達は引き上げた。

領主が王都に行くときにこの馬車を使って、向こうで大変な目にあうのだが、そこまで想像する者はいなかった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る