第4話 旗など上げてる暇あったら、完璧ニート環境への基盤環境づくりを!


「ねぁそんちょ、この村にあまり若者っていないねぇ?子供と中年以上はいるのに?」

「うむ、若者は村を出られるくらいになると、皆出てしまうんだよ、町にいって一旗揚げるってな」

「あがるのかー?重いんじゃない?その旗、、」

「ははっは、容易に上がるんだら誰も苦労しないってもんだわ!!誰がこんな田舎に好き好んでひっこんでいようか!!!」

「・・・を、をう、、、、」

いや、こういう本音言い切る奴は好きなことは好きなんだが、、しかも、よぼっている老人が言うセリフでも力強さでもないんじゃないかな?


村は少し豊かになっているので、皆の道具もよくなって作業も更に効果的になっていた。

いろいろそういう(放置主義?)領主だから領民や村長らがひねないで自由(すぎる?)に生きてこれてるんだろうなー、と学は少し領主の人柄に興味を持った。


だから学は次に、村長や他数人いる読み書きできる者たちに、村の子どもたちに読み書きとそろばんをおしえることを推奨した。今は学校はまだ無いので、事ある毎に暇ある毎に教えていけば?と。

村は工作系に発展しているので、必要だと。長さ、広さの単位、計算なども教えるようにと。

熊達の後継者養成候補生だ。はっはっは、これで後進養成はオートマチックになるなっ!!

”全てを、俺がだらだらできるようになる為にっつ!!!”

もともとゴロゴロ生活大好きなのだったのだ♪



時間に余裕ができる者たちも多く、薬草採取や獣や鳥など狩りなども盛んになった。薬や毛皮などの常備も余裕になった。

村は街道から離れているので商売には向かない。けど、生産で生きていくのはもう余裕だろう。近隣も含めて豊かになったということが大きい。小館村単独だったら問題もおこされたはずだった。僻み妬みは恐ろしいからなー。


上水、シャワールーム、水車の各チームは、結構遠出することが多くなった。何日も見ないので訊くと、隣の領地の村まで行くことも頻繁になってきたとの事だった。小館村がある領の村々の大半に少なくとも水車は行き渡ったようだった。

他の土地にも職人はいる。が、仕事が遅い。しかもそういった職人は数が少なく、注文が詰まっているのでいつになるかわからないほどだ。

だが、小館は前もって何種類かの大きさの水車各部品や素焼きレンガなど大量に作り続けている。設置班がいくら使ってもまだまだ在庫があるのだ。




少し前から学は木製ベアリングを試作していた。村が潤ってきたから鉄も幾分仕入れられるようになったが、鉄でベアリングを作るのは今は技術が無理。なので、ベアリングを全部木製にする。

玉をどれほど真球に近くできるか?同じ大きさにできるか?が課題。ここいらで一番硬い樫を使い、たらいの内側に砥石を貼りまくったものに、ある程度球にした、幾種類かの大きさの樫の球をいれ、水車の動力を利用してひがなぐるぐるまわるようにした。磨く球をおおくすればするほど効率的になるはずなので、結構多めに。


球の大きさを測るために竹製ノギスを作った。超便利♪。竹も木も、乾燥させなきゃ使えないのがネックなんだよなー、といいつつ、レンガ製の乾燥室は随分前、トイレの時につくっておいた。焚きっぱなしなんで冬はあったかいしねー。

工作班のほうで大量に出る木くずも無駄なく処理できるし!

そんちょは、ノギスを売ることに興味を示していた。


小物は数年でコピーモノが出始めるだろうが、それだけで小館が食っているわけではないので問題ない。

ついでと言うか、必要なので、蝋、ろうそくの蝋のグリスっぽくしたもの。ベアリング部品に蝋を塗り込んでいるが、使っているとヌケてくるし摩耗もあるだろうから。使用者にメンテのときに必要に応じて使うように、と渡す物として作ってもらった。注入具は竹の水鉄砲似。


なんのかんので球の硬度優先のベアリング完成。大量に球をつくって、同じ大きさのを集め、それに合わせて受け側を作る、という形にした。

最小のモノでベアリング外形30cmくらい、大人の手のひらもっとも広げたときの小指の先から親指の先までくらい。軸経が親指より小さいくらい。木製だから仕方がないね。

荷車用のベアリングはでかいもの。重量に耐えねばならないから。最初は内径15センチくらいのを使ってみた。つまり車軸が15センチ径。

かなりの重さに耐えるはず。米俵満載で7日間牛に曳かせて、ばらしてみた。ベアリング受け側、ベアリングの球、車軸、に偏った摩耗は見られない。長持ち、を考えればこの程度が良いのか。と、それですすめることにした。

水車小屋内部分機構にもベアリングを装着することに。動きが全く違う!!村のみんなも驚きだね!!


これなら!!と、大昔の自転車を作ってみた。勿論木製w荷車(大)の車輪を前、荷車(小)の車輪を後ろに。三輪車みたいに前車輪にペダルを付けて。ひと一人なので最小ベアリングでOK。

結果、、、ペダル位置が微妙なので立ち漕ぎできない、、道でこぼこ、、ケツ痛すぎ、、、

普通の自転車+サスペンションきぼんヌ!!

あ?サスペンション??



つーことで、鍛冶者に鉄板、長さを3種類にしたものを2セット作ってもらう。

大工達と喧々諤々やりながら、どうにか荷車に装着。はねるはねる!!ので、荷物満載にしてみる。と、ちょうどよい具合に! ショックアブソーバーになるものが必要だな。長さを違えた撚った革紐いくつかとか?


というふことで、箱型乗り合いを作ってみた、熊と。駅馬車みたいなもんだな。試行錯誤で一ヶ月以上かかったかな? ちなみに熊は水車組の仕事を熊の手下におしつけてた。こっちのほうが面白いからな。

重量満載にしてもサスにゆとりがあるようにと重さに気をつけながら。後部に出っ張りをつけ、そこに幾分の荷物スペース。箱部は骨組みを主体にに薄めの板を貼り付けて箱にしたもの。

天井に荷物は載せない。雨が多いしね。客席には革と藁で作ったクッション設置。

ためしに隣り村まで往復。勿論牛に曳かせてののんびり。10人の満席+貨物満載で行ったが、余裕だったね。

隣り村も豊かになってきていたので、隣の村長はこの馬車に大いに興味を示した。値段が決まっていないので、詳細が決まったら商談ということで話が付いた。


でも、第一号は領主様に献上すべきだな、とそんちょと話して、

それならもっと改良した領主用豪華馬車を作って献上したら?となった。


「襲撃にも耐えうる厚い壁は必須だ!!」

「内部で食事ができるくらい広いのが良いだろう?」

「いっそ宿泊も?」

「家かよ?!!」

「便所つけろよー」

「おまえらなー」

小館村会議である。暇な者たち、加わりたい者たちが集まってする会議である。


「暖房付けたいなー」と俺

「「「「「暖房??」」」」一同。

「小さめだけど可能だろ?。こう、、後ろの外に荷台に窯つくって、煙突を室内の床下に通す。できれば前後の壁にも。あああ、、、蒸気のほうがいいか?」

密閉した窯の逃げ道を一つにすれば、湯を煮立たせれば蒸気は強制的にそっちに排出される。窯位置が高くてもさほど問題ではない。ただ、水分なのでパイプを真鍮にする必要がある。

「真鍮ってある?、、ああ、黄赤金とも言われるね」

「「「???」」」

だが一人が、

「・・・聞いたことがある、錆びないし曲げやすい、とか、、、銅の一種だろ?」

「そう!それ!!それで長い筒を作れないかな?」

「まったくわかんねぇ、、、聞いたことしか無いからなー」

ということで、この会議は

「真鍮を見つけ、それでパイプを作る」

「豪華な領主用馬車を作る」

というざっくりした結果で終わった。


真鍮があるんじゃ蒸気機関つくれるんじゃね?と俺が期待しちゃったのは当然。


ーー


俺の服は、村の者たちと同じようなものになっていた。長めの甚平?ズボンと前合わせのシャツみたいな?

もとの服は洗ってしまってある。大事なものだからな。スマホや運動靴等向こうの物全て一緒にしまった。

足元は下駄。わらじでもいんだが、文明人が足も劣化しててなー。

寒い時期は藁のブーツ、でも靴底は下駄仕様ww雪は降らんが、霜とかでぬかるんでるんで染みるからな。これも俺が熊さんチームに作って貰った。今では村中これだ。つか近隣の村々もそうなっている。


でも家が寒い!!板張りの家が寒い!!全開の冬の威力の前で俺は死にそうだった!! 去年はさほど気にならなかったのに?!!。俺、虚弱な文明人弱すぎ!!なので、中空の素焼きレンガを作ってもらった。後手後手ばかりなのはしかたがなーいw


それで四方がレンガの壁の家を作ってもらう。

天井をつくり、屋根と天井の間に空間を作る。天井裏、屋根裏ってやつだ。防暑、防寒に良い。

入り口の外側に一畳ほどの玄関間を作り、入り口ドアを2つにした。内部の温度を逃さないように。

窓にはカーテン?巻き上げるタイプのをつける。麻布の、あれだ、乞食さんがしいて座ってるようなやつ、がカーテン布w。布って呼んでいいのかしらんが・・いや、厚めで具合良いよ?!

家の外、北側には更に塀を作る。北風を防ぐのだ。

土間つまり台所の窯は2つ。

板の間には二重に織ったござを敷く。

ここまでは出来る限りの防寒仕様!!


窯の煙突(今はまだ孟宗竹、いつかは金属を!!)は分岐を付け、2通りにつかえるようにしてもらった。夏はそのまま上に。寒い時期は、煙は部屋を一周してから上に出るように。だが部屋に這わせる煙突に勾配を付けないと煙は逃げていかない。

そのため、板の間を上げねばならず、半階上みたいになった。

下の空間の部分の外の壁を外せるようにしてあるので、夏はそれをはずして風を通す。


もし!蒸気窯ができあたら!でーきーたぁあーらあー!!この下の部分に蒸気パイプを這わせるのだ!!本格的床暖房!!!

おお!快適かつ完全天然安全安心な文化生活!元の世界なんぞめじゃねー!!

今でも結構あったかいんだけどね♪焚きっぱなしにしてるとだけどw


そんちょが早速真似して同じようなの作っている。規模は倍以上だけど、そんちょんちだからね!10人位のいるんじゃね?あそこんち。


いや、さいしょさ、壁を二重とかにもかんがえたんよ、、でも、日本でさー、小学生の頃廃屋を基地にしてて、そんとき、ぼろぼろの板の内壁剥がして遊んでたら、Gの巣?卵とGがたくさん!!

いやもうトラウマ。

絶対二重壁いらない。つか、壁紙さえこわいわー、、、、壁紙剥がしたら、、、、とかホラーもいいいとこだろ?なさそうだけど、あったら、と思うと、、、、

だったらいっそのこと大きく空間を開ける!これで解決。鼠なら対処可能、どうにでもなる。第一怖くないっ!!!!

で、こういう上げ底ならぬ上げ床形に。

夏はー、、水車の動力をこっちに引けないかなーーーー、扇風機くらい天井に付けたいなー、蚊やハエ避けにwww


熱帯地方によくある天井につけたでっかいせんぷうきみたいなの、もったりまわっているやつ、あれ、実際ハエや蚊よけなんだってな、勿論風も送れるんで涼しくはなるが、熱帯の昼間ってすごく空気が熱くなるんで、それをかきまわすと余計熱い!特に天井付近の熱い空気を下におくるなんて自殺?ってな感じで、だから長い軸で羽を下にぶら下げて、もったりまわすんだとかなんとか、聴いたような聴かないような記憶があったとかないとか、あったんだけどね?ホントかどうかしらんがw


今日は鳥の雑炊。食事の大半が雑炊だけど、今は麦だけではなく、野菜だけではなく、コメと肉と卵も入った高級?雑炊っす!!!味噌味っす!!

いや、来た当時にくらべりゃ、よくなったもんだなぁ、、

いやまじ、豊かさって飯に一番出ると思わん?

飲み物も水じゃなくってお茶よ?いつでもお茶!

あ、大麦探して来てもらって、麦茶つくりたいなー夏には。

で、お茶請けとかもでちゃうの!塩もみでなくって糠味噌漬けよ?ぬーかーづーけぇー(大山の声で)!

お?お茶漬けできるじゃん、あとでやろう!

醤油あるから佃煮とかもできるんだよなー、ためしてみるか?でも砂糖って無いよなー、干し柿いれてみるか。

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