第3話 いろいろ勝手に試させてたら、おだて村になってた
村長宅も毎日麦雑炊でした。でも結構美味しい。コメはないんかな?
米あるけど陸稲だと効率悪いんでやらないんだと。今まで水が足りないから水田つくれなかったと。
で、半月もたって、、村の下半分水路完備しました。村って書こうとしてミラってかいちっちw誤打w何の?
それはそれとして、この村の名、ミラノとかで良くない?
「んじゃー、水田行ってみよっかー!!!」ガク
「「「「なんじゃそりゃー!!」」」」
「水が十分にありゃ水田だろうが!!毎年作れるんだぞ?連作障害無いっつー話だぞ?ここいらの気候なら、慣れりゃ年二回いけるんじゃないか?水車で精米しろやー!!」
という俺の言い分に騙され、いやまだ騙してはいないけど、、不確定なだけであって。
水田の作り方を知っている者がいたので、3反ほど試しに。
苗を作っている間に田を作るんでちょうどいいとか。
新田が根付くまで(まともに使えるようになるまで)数周かかるというが、、、多分、収穫は陸稲よりましだろ?だったらいいな?一応皆にそう伝えておく。先に言っておかないとまずいからなこういうこと。
半月後、田植えを終えました。苗できるのってこんな速いの?ここが特殊?しらんけど、、終えた時、村長が木の杖を前方の田んぼの方に突き出し、
「へごまきまやごんへごまきまやごんおこめはやーくみのぉーれぃ!」って杖をぐるぐる前方に腕ごと大きく更に突き出しながら大きく回す!!まさか!!!
おお!この世界には魔法があったのか!!!!
「そんちょ!!魔法使えるのか?!!!」
「んなわけなかろう? アホなのか? ふんいきじゃ! きまっておろう?」
ねぇ、なぐっていい、ぐーでおもいっきりなぐっていい?いいよね?
周囲の連中、皆同じ目でそんちょを睨んでました♪ そんちょ、よく今ままで生きてこられたよな?
2ヶ月後、少し離れた位置の農家まで含め、この村全て飲水と用水路完成。飲水は竹の節を抜いてパイプとして使えました。旦那の家のも交換。水量増えて喜んでた。この村って、皆暇?結構大勢手伝ってた。
で、今度は俺が暇になったんで村の中ぶらぶらしていたら、森の近くになんか発見。
おい、窯だよ。炭焼?
いやいや、なんか割れた皿とかそこらへんにあるんだが?水路にしくのに使えたのに、、、言えよ!!
つか、焼き物の窯?どんだけでかいものができるんだろう?
で、そんちょに尋ねる。農閑期に焼き物やってると。できる者たちを夜にそんちょ宅に呼んでもらった。
で、昼間いっしょけんめい書いた図面を見せる。わかるかなぁ、、、不安あり
洋式便座である。水が貯まるところがあるんで匂いも上がってこない。なので内部をモルタルで固めりゃ清潔な便所になる。勿論手動水洗。水桶と手桶をおいて、手桶の水でケツを洗い、汚物を流す。東南アジアのいなかの手動水洗そのまま。先に素焼きレンガも頼んでおいた。
素焼きレンガで木材のための乾燥室をいくつか作ってくれとも頼んでおいた。
村は今はまだポットン便所。木の床に穴が空いていて、前方に小さい木の板一枚立ててあるだけの金隠し。ばっちわな。木造りだからろくに洗えない。いろいろしみついているし。なにより「手が出てきそう」で怖いwwwww
くさいよーこわいよーきたいないよーの3拍子である。んなの俺の世界のどこ行ってももうないわ!!
で、便器とレンガが出来上がる前に新しい便所をつくっとかないと、、、
位置的に水を引ける場所、上水道や水路から離れているか、それよりもそこそこ下方に位置。
汚水溜まりをほってもらい、汚水溜まりの壁全面から穴の外までモルタルを厚く盛ってもらう。水洗で水分が多くなるので崩れるのを防ぐためだ。
そうこうしているうちにレンガが出来上がってくる。上モノは、床はモルタルで均一にした上にレンガをひき、目をモルタルで埋め均一に均す、壁も下側はレンガでこさえる。壁の下の方1mくらいまでだけど。勿論モルタルでくっつけ、目地も埋める。トイレの便器ともっとも反対の場所に1m四方くらいの水槽をレンガで作る。勿論一番下の横には穴を開けて木の棒を栓にして突っ込んでおく。水抜き穴だ。
んなこんなのうちに半月以上つかひと月近く経ち、便座試作機ができてくる。便座せーっち!!便座の横に水桶。水桶に手桶を浮かべ。
一方、水槽には、外からパイプで水が水槽に貯まるように。こちらにも手桶を浮かべて。
そう、水槽は体を洗う用。トイレとシャワーの一体化。東南アジアの田舎と全く一緒♪トイレが汚れなくって良いんだよねー。シャワー浴びたときに一緒にトイレまわりながしとけばいつも清潔♪
つーことで、そんちょ宅、一挙に文明化!!!ぜよ!!www
「ぜよーーーwっw!!」って左手突き上げたら皆まねしてた♪
文明化成功の雄叫びだよ、って教えといたwwwぜよwww
農家だから一軒一軒離れているんで、共同では使いにくいんで各家に設置ということになったんだが、一年計画だな。
「これも、設置含めて売れば?」
そんちょ「ぽん!!」
そう言えば水車は?と聞くと、隣り村に声かけたら一つ注文来たって。下見終わってて近いうちに設置だろうとのこと。熊が仕切っているらしい、手下を何人かつけたらしい。手下は物覚えが良いのがいいな、そのうち独り立ちしなけりゃならんのだから。
熊、水車、上水、シャワールームと大忙しだなー。
「熊に10人くらいつけといたほうがいいよ?」
「そうじゃの、3つの班くらい必要じゃのう」やっと最近じじぃらしい言動を覚えてきたそんちょ。
「班長が必要なんで、今の手下たちが下準備くらい全部自分でできるようになったら、班長にさせればいいんじゃない?。そして班長に部下4人くらい付けて、基本は上水班、水車班、便所班に。でも水車と便所など大変なときは皆手伝うように、とかさ。」
「そうじゃの!!学せんせーの言うとおりにせよ!!」「「「おーーー!!」」」「やめれ」
「ときにそんちょ、鍛冶はやっていないの?」
「あるよ?いるよできる者」
「をいをい先に言えよー、農具が木製だからんなのいないと思ったじゃん」
「いや、肝心の鉄がない。だから普段から農作業しているだけだよ?」
なぜ老人喋りしない?
「しかも、刃物打つほどうまくない。砥ぎがめんどくさいとwメインは牛の蹄鉄。」
「まぁいいや、釘作れないかな?釘とかすがい。」
村長は釘は知っていたがかすがいは知らなかった。ので図面を書いて、釘もかすがいもいくつかの大きさのをも作ってもらうことにした。作りためておいてほしいと要望した。村からいくつか鍋釜回収して作るって、、ごめんよ、、
ここのこの時代、上水も、水車ももう存在した。が、実質、専門の職人たちでないと作れないようになっていた。
普通の大工には、現物をみて解明して同じものを作るには面倒臭すぎたのだ。
上水パイプは立地条件が揃っており、なおかつ資金が豊富な家など、条件が厳しかった。
学は、水位高低差の問題を水車で解決した。それほど高い位置にはならないが、2メーターほどは高くできる。うまくやれば川や水路から数百メーターは引けるだろう。水車の水を受ける桶をでかくして水圧を少しでも高めれば、その分伸びる。レンガもあるからできることだ。自然石だけだと場所により限度がある。
近隣農村が水車を少しづつ導入することによって、周辺含め収穫量も伸び、稲作もできるようになり、更に水車や上水に資金を投入できるという良い循環に入り始めた。
学は少しづつ改良をさせたり、山に入ってなんか栽培できそうなものを探したり、川で養殖できそうなものを探したり、などする毎日だった。
何でも食べるし頑強なナマズの養殖などとっつきやすかった。
なまずからはじめ、川エビ、鯉。きのこ、しいたけなど栽培できないかと探したが、しいたけは聞いたことがないという。名前が違うのかと思い村人に採れるきのこ皆もってきてもらったが、なかった。
なめこっぽいのがあったので、ちいさい素焼きのツボを多数つくってもらって、いくつかのおがくずとぬかで試した。春、秋程度の温度で日陰、おがくずはどれでもにたりよったり、だいたい1周間程度で食えるほどになった。
水車作るんでおがくず大量に作れるし、つぼは使い回し、ぬかは高級精米すればいくらでも出る。精米度高いほうが高く売れるし。
学が野垂れ死に掛けてから、あっという間に一年は経っていた。大体で。カレンダー無いので季節感で「一年かな?」程度なのだ。
で、その年の年貢の時期に、村長は領主に村の特産品として、川のもの、きのこ、水車精米による高級精米を献上した。
領主は結構まっとうらしく(だから村長は隠さず献上したのだが)、村の努力と成果をいたく気に入った。
今まで中程の村という感じで中村とその村を呼んでいたが、「村に名前をつけることを許可する、村長はその村の名を姓としてよい」と。
村長は即座に「小館(おだて)村」でお願いいたします。
後にそれを聞いた学は、「俺が逃げないように、との布石だなー」と理解した。まぁ行く宛なんぞ無いからなw
学はなし崩し的に小舘村の学者様として定着していた。他国から逃げてきたやんごとなきお家の御曹司だと思われている。なので、学のことをよそ者には言わない。学への心配もあるが、なにより自分の村が揉め事に巻き込まれるのを嫌がったのだ。田舎の者たちなんぞそんなもんだろう。学もへんに名が売れ、中央に呼び出されるとか面倒が嫌いなのでちょうどよかった。
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