130 聞き込み

 はいはーい、どなたですか?


 あー警察のかた? もしかして金子さんのこと?


 あーやっぱりそう。警察が来るだなんてそのことしかないもんね。玄関の前で殺されてたって話でしょう? ほんと怖い話よねぇ。あたしも気を付けないとって思ってたとこなのよ。


 え? 近所のトラブル? うーん、そうねぇ、私は特に付き合いはないんだけどね、あの人ってほら、結構お金持ちみたいじゃない? そういうことを鼻にかけることがあって嫌われてるって話は聞いたことがあるかな。子供が中学受験に受かったとかって自慢してたみたいだし旦那さんも大手企業に勤めてらっしゃるんでしょう? やっかみひっかみはもたれてもしょうがないんじゃない?


 え? あたし? あたしはそんなことないわよ。確かにうちは金持ちじゃないけど充分に幸せだわ。人様の家庭をうらやんでもうちが裕福になるわけじゃないしね。ほんとよほんと。殺す理由なんてあるわけないじゃない。


 私のアリバイ? ……疑ってるの? まあ、いいわ。確かおとといの朝よね? 時間は? ……九時前後ね。九時前後か……あっ、そうだ! 確か八時半ごろかな、ゴミ捨てに行って近所の奥様達と一時間ぐらい喋ってたわ。えーとね、二軒隣の鈴木さんと真向いの山内さん。三人でしゃべってたわ。後でその二人に聞いてみなさいよ。アリバイがあるって分かるから。


 不審な人を見かけたかだって? ……うーん、特に見なかったわよ。あっ、そういえばあまり見かけない車が通ったわね。確か黒いセダンの。ん? 乗ってる人なんて見てるわけないじゃない。私達小林さんの奥さんが浮気してるって話で盛り上がってたんだから。車を見たのも偶然よ。たまたま目に入った車のナンバーが私の誕生日と一緒だったから覚えてただけよ。


 あらっ、刑事さん、どうしてナイフなんか出

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