101 お医者さん
「佐藤君……私は患者に恋をしてしまったようだ……」
「先生……」
「いや、君の言いたいことは分かる。でもこの気持ちはどうやっても抑えられそうには……ないんだ」
「……患者さんは?」
「モモコちゃんだ。彼女の純粋無垢な瞳を見つめる度、私の気持ちが高ぶっていくのが分かるんだ」
「先生……確かにモモちゃんはかわいいですよ。でも……」
「分かってる分かってる! そうだよ! 確かにモモコちゃんはまだ六歳だ!」
「いや……そういう事ではなくて」
その時診察室のドアが開き、一人の看護師が入ってきた。
「先生! 急患です! 鈴木さんのおうちのチョコちゃんがボタンを誤飲したようです!」
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